札幌市教委　人権教育研究推進校　発寒南小など４校指定　アイヌ民族学習など３課題

（札幌市 2021-09-09付）

　札幌市教委は、本年度人権教育推進事業の研究推進校を決定した。課題１「アイヌ民族に関する学習の研究を窓口とした人間尊重の意識を育む研究」に発寒南小学校と澄川中学校を指定するなど３課題で計４校を選定。推進校は今後、各課題についての授業展開例や授業で使用したＰＲ資料などの各研究実践資料を作成し、各学校における人権教育の充実を図っていく。

　事業は、平成２３年度から実施しているもの。市学校教育の重点に教科等の枠組を超えた教育として位置付けている人間尊重の教育について、「教師自らの人間尊重の意識の向上」の視点から、各学校における人権教育の充実を図っている。

　本年度の研究推進の課題は、①アイヌ民族に関する学習の研究を窓口とした人間尊重の意識を育む研究②子どもの権利にかかわる学習の研究を窓口とした人間尊重の意識を育む研究③性に関する学習の研究を窓口とした人間尊重の意識を育む研究④人権尊重の意識を育む学級経営等の研究⑤人権教育を基盤とした学校づくり等の研究―の５点。

　当初は、これら課題について研究を進める研究推進校・パートナー校を合わせて１８校程度選定する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で各学校の学習活動が制限されることから、応募数が想定を下回った。

　課題①で、発寒南小、澄川中、課題②で、市立豊明高等支援学校、課題④で、平岸小学校を選定。課題③と⑤については設定なしとなっている。

　各研究推進校は、学校教育の重点で示した人権課題「民族教育」「子どもの権利」などを窓口に、子どもが互いの個性や多様性を認め合い、心豊かにたくましく生きようとする態度を育む取組の研究を推進する。

　成果の普及に当たっては、授業展開例や学習資料、授業で使用したＰＲ資料など、各研究実践資料を市教委に提出する。

　市教委は、各研究推進校が提出した実践資料をまとめ、校務支援システムに掲載。また、市内の学校に提供するとともに『人間尊重の教育にかかる指導の手引』としてまとめ、全校へ配布する予定だ。

(札幌市 2021-09-09付)