４省庁　ＧＩＧＡスクールアンケート　６割が業務偏在化懸念　通信環境に課題　中高生４割

（国 2021-09-10付）

　デジタル庁・総務省・文部科学省・経済産業省は、ＧＩＧＡスクール構想に関する教育関係者へのアンケート結果をまとめた。約６割の教職員がリテラシーの高い教職員に業務負担が偏ることを懸念。中高生の４割近くが通信環境に課題をもっていることが分かった。

　アンケートは、１人１台端末の効果的な活用に向け、端末やネットワーク環境、デジタル教材や教育方法、学校現場におけるデジタル人材の確保など現場の課題を把握し、今後の政策の検討・改善に生かすことが目的。

　初等中等教育段階の児童生徒を対象とした調査と、教職員、保護者、教育関連の民間事業者など教育関係者を対象とした調査の２種類を実施。児童生徒から約２１・７万件、教育関係者から約４・２万件の意見が寄せられた。調査の実施期間は７月１～３１日。

　児童生徒を対象としたアンケート結果をみると、タブレット使用時に困っている点として、小学生は操作方法などの「リテラシー」が４０％、つぎに回線の遅さなどの「通信環境」（３３％）、アクセス制限などの「使用規則」（２８％）と続いた。

　中学生は、「通信環境」（３６％）、「使用規則」（３２％）、「リテラシー」（３２％）。通信環境、使用規則の割合が他校種よりも高い。

　高校生は、「リテラシー」（４３％）、「通信環境」（３９％）、「使用規則」（１７％）の順となっている。

　教育関係者の結果をみると、学習者（児童生徒）に関する課題（以下、いずれも複数回答）は「学習以外の用途の利用」（２３・２％）、「情報モラルの不足」（２２・４％）、「操作など基本的な使い方が分からない」（１４・２％）が多い。

　教職員が感じている課題は「リテラシーの高い教職員に業務負担が偏る」（５９・４％）、「担当教科でのＩＣＴの効果的な活用」（４８・９％）、「教職員向けのＩＣＴ環境整備」（３８・１％）など。自由記述ではＩＣＴ研修の必要性が多く挙がった。

　教育関係者が学校その他関係機関に感じる課題は、「書類や調査のデジタル化の推進」（２３・４％）、「ＩＣＴに精通した人材不足」（１７・５％）、「ネットワーク環境の整備」（１４・７％）など。

　このほか、アンケートの主な意見に対する政府の考え方を示したほか、学校現場における工夫事例を分類して紹介。デジタル庁ホームページでは調査結果とともに、民間事業者５社による分析結果も公表している。

(国 2021-09-10付)