文化庁４年度予算概算要求　ユニバーサル公演開始　ウポポイ活用研修を充実

（国 2021-09-06付）

　文化庁は、令和４年度予算の概算要求をまとめた。障がいのある子どもたちが鑑賞しやすい公演を提供するユニバーサル公演事業を開始。国立アイヌ民族博物館（ウポポイ）で博物館と学校との遠隔授業を実施するほか、博物館を活用した教員向け研修を充実させる。

　文化庁の概算要求額は、前年度比２２・０％増の１３１１億円。

　新規事業では、文化芸術による子供育成推進事業に７９憶９６００万円を要望。文化芸術による子供育成総合事業の後継事業で、一流の文化芸術団体による芸術公演や芸術家の派遣事業などの取組を継続するほか、障がい者芸術団体による公演提供や障がいのある子どもたちが鑑賞しやすい公演を提供するユニバーサル公演事業を開始する。

　継続事業をみると、地域文化倶楽部（仮称）の創設に向けた実践研究に１億６９００万円を要望。休日の部活動の地域移行に向けたモデル事業を継続し、全都道府県各１地域で拠点校を設け、少子化に伴う廃部や部員減少、合同部活動実施に向けた移動手段の確保や、ICTを活用した練習・指導法の確立、それらにかかる費用負担の課題解決を図る。

　全国高校総合文化祭には１億１１００万円を要望。東京都で開催予定の全国高校総合文化祭の開催経費、優秀校の公演などを実施するほか、高校における部活動の顧問教員が適切な運営や指導方法を身に付けるための研修会を実施する。

　国立アイヌ民族博物館の運営には１６億９３００万円を要望。博物館と学校との遠隔授業を実施するほか、博物館を活用した教員向け研修の充実を図る。また、新たな生活様式に対応した映像「バーチャル博物館」を新たに制作・配信。新型コロナウイルス感染拡大防止策を徹底した来館者の受け入れ、多言語対応、キャッシュレス決済の導入を進める。

(国 2021-09-06付)