カンボジアに奨学金９人分寄付　恵まれない子に学びを　札幌清田高グローバルコース

（札幌市 2022-02-22付）

３９人の協力が３５３８枚のはがき回収につながった

　市立札幌清田高校（黒宮裕久校長）グローバルコース２年生３９人は、教育の機会に恵まれないカンボジアの子ども（９人分）が１年間学校に通うことのできる金額分の奨学金を寄付した。クラス内でアイデアを出し、近隣のまちづくりセンターなどに協力を依頼し、昨年１２月上旬から１月末にかけて書き損じはがきや切手を地域や校内から募集。活動に取り組んだ相田萌衣さんは「初めて支援活動に参加した。この経験を生かして今後もいろいろな活動に参加していきたい」と話していた。

　グローバルコースでは国際的視野を広げるため、国際的人権や国際協力などに関わる調査研究や異文化交流を通して、国際情勢の背景を学習し、話し合いを通して問題解決の糸口を探る活動を展開している。

　２年生は発展途上国の原料や製品を適正な価格で公正に取引することを通じ、途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指すフェアトレードについて学習。例年、文化祭でフェアトレードによって製造したチョコレートやアクセサリーなどを販売し、教育の機会に恵まれないカンボジアなどの子どもの就学を支援する国際里親システム「ダルニー奨学金」に寄付していた。

　前年度からは、２年に１度実施してきたカンボジアでのボランティア実習が中止に。代替として、書き損じはがきや切手を地域や校内から募集し、教育の機会に恵まれないカンボジアの子どものため、ダルニー奨学金に寄付することとした。

　前回は生徒の出身中学校と校内、北野地区まちづくりセンターに対して協力を呼びかけた。今回は清田まちづくりセンター、平岡まちづくりセンター、生徒の出身小学校にも協力を依頼。前回以上の枚数回収を目標とした。

　校内と各まちづくりセンターには、生徒が作成した投函用の箱を設置。小・中学校には、生徒が電話や訪問することで回収につなげた。

　結果、書き損じはがき３５３８枚を回収。未使用切手は現在、集計中だが、昨年を超える見込み。前回に続き、９人の子どもが１年間学校に通うことができる金額に到達した。

　活動に参加した森脇和凛さんは「余ったものを活用して誰でも簡単に取り組めるので、ぜひいろいろな人にも知ってほしい」。小林優果さんは「どんな人でも支援することができるということを伝えていきたい」とプロジェクトの広がりに期待している。

　また、権平若菜さんは「自分が動けば人は動いてくれることを感じた。将来は経営を学び、今回のような支援につなげていきたい」と新たな目標を見据えていた。

(札幌市 2022-02-22付)