札幌市内の元年女児死亡事例　１０年先見据え人材育成を　評価ＷＧ　検証報告書提出

（札幌市 2022-02-21付）

松本座長（右）から報告書を受け取る秋元市長

　札幌市は１７日、市役所で元年６月死亡事例に係る検証の提言に対する市の取組の評価報告書手交式を行った。評価ワーキンググループの松本伊智朗座長が秋元克広市長に報告書を手渡し、「今回の事例への対応は全国的にも注目されている。５年、１０年先を見据えた人材育成を進めてほしい」と呼びかけた。

　市は、元年６月の２歳女児の死亡事案発生後、市子ども・子育て会議に常設している児童福祉部会に事案の検証を依頼。部会は、６人の委員による検証ワーキンググループを設置し、２年３月に事案の検証報告書を秋元市長に手交している。

　その後、関係部局では速やかな業務の見直しに向けた検討等も進めていることから、取組状況の評価を部会に依頼。昨年６月新たに設置された評価ワーキンググループでの協議を通して、報告書の作成に取り組んできた。

　１７日の手交式では、松本座長が秋元市長に報告書を手渡し、市における児童相談体制等のさらなる推進を求めた。

　松本座長は、報告書の概要を説明した上で、虐待防止に向け、「職員に高い専門性が求められることから、職員の育成ビジョンを作成し、専門職集団の形成を検討する必要がある」と指摘。中・長期的な見通しを持った人材育成の必要性を強く呼びかけた。

　秋元市長は「事例発生から、児童相談所等の拡充を進めてきた。人の育成などについてもあらためて検討し、福祉の全体像を明確にしていきたい」と回答した。

(札幌市 2022-02-21付)