石狩市4年度教育行政執行方針 教科指導で小中連携図る ソフトボール地域指導体制確立(市町村 2022-03-10付)
佐々木教育長
石狩市教委の佐々木隆哉教育長は4年度教育行政執行方針において、確かな学力の育成に向けて「国語科の“読むこと領域”の課題解決」「教科指導における小中連携の推進」を重点に取り組む考えを示した。中学校の部活動に関しては、先行してソフトボール競技における将来の地域指導体制の確立を目指して、競技団体が実施するモデル事業を支援する。執行方針の概要はつぎのとおり。
【目標Ⅰ 自ら学ぶ意欲を持って、主体的に社会に関わり、新しい時代を生きる力を育てる】
▼新しい社会で生きる力の育成
新学習指導要領の趣旨を踏まえた確かな学力の育成のため「主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善」「学習内容の定着を一層確かにする工夫」「学習環境の整備」の3点を柱とした取組を進め、カリキュラム・マネジメントの確立を図る。特に「国語科の“読むこと領域”の課題解決」「教科指導における小中連携の推進」を重点に取組を進める。
電子黒板、デジタル教科書などICTを効果的に活用し、個別最適な学びと協働的な学びを相互に結び付けながら、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善につなげる。
端末の持ち帰りによる家庭学習への活用や緊急時の学びの保障をより確かなものとするため、教員のICT活用能力の向上や学校のICT環境整備に向けた支援を行い、児童生徒の情報活用能力の育成を図る。
小学校での学級編制標準の段階的な引き下げや新たな教科担任制の導入、エキスパートサポーターや外部指導者の効果的な配置などによって指導体制を充実させ、学習内容の定着が一層進むよう努める。
特別支援教育については、特別支援教育支援員の適切な配置等に努めながら、よりきめ細かな支援を行う。一人ひとりのニーズに応じた一貫した支援を行うため、就学前からの教育相談の実施や、個別の教育支援計画および個別の指導計画の活用、研修による教員の専門性の向上を図る。
外国語教育については、外国語指導助手(ALT)の活用によって外国の言語や文化について理解を深めながら積極的にコミュニケーションを図る態度の育成に努めるとともに、新たに国の実証事業で提供される学習者用デジタル教科書の効果的な活用に取り組む。
▼学びを支える家庭・地域との連携・協働の推進
中学校の試験期間に合わせた小学校の家庭学習強化週間の設定など、家庭学習や生活規律等の小中連携の取組を継続する。
基本的な生活習慣の定着を図るため、いしかりふれあいDAYや生活リズムチェックシートを活用し、規則正しい生活とテレビ、ゲーム等の使用に関する家庭のルールづくりについての呼びかけを継続する。
特にスマートフォン等の使用については、家庭での使用ルールについて親子で考えるきっかけとなるよう、保護者向けの情報発信を学校と連携して行う。
▼学びをつなぐ学校づくり
幼児期の学びと育ちを義務教育へスムーズにつなげるため、認定こども園等との連携をさらに深めながら各小学校で策定するスタートカリキュラムの確実な実施と不断の見直しにより幼児期から中学校段階までを見通した教育を進める。
市内全校で始まったコミュニティ・スクールにより、地域と連携・協働し教育活動を展開する開かれた教育課程の実現を図る。
教員の働き方改革については、推進計画の取組を着実に行いながら、勤務時間を意識した働き方を一層推進するよう促し、長時間勤務解消に向けて取り組む。
中学校の部活動は今後、休日の活動を皮切りに地域の実情に応じた段階的な地域移行を検討していくが、先行してソフトボール競技における将来の地域指導体制の確立を目指して、競技団体が実施するモデル事業への支援を行う。
浜益区のより良い教育環境を確保するため、保育園を併設した小中一貫型の学校の実現に向け基本設計に着手するなど、地域と対話しながら準備を進める。
通学路の交通安全の確保に向けては、学校の交通安全教育において交通ルールの順守を指導するとともに、自ら危険を予測し回避する力の育成に取り組む。
【目標Ⅱ 思いやりと豊かな心・健やかな体を持って、多様な人々と共に支え合う人を育てる】
▼健やかな成長を促す取組の推進
道徳科を基軸として、教育全体を通じて行う道徳教育による豊かな心の育成、人権を尊重した教育による他者を思いやる心の育成のほか、地域の様々な人々との交流や体験活動などを通して、自己有用感や自尊感情を醸成する。さらに、保護者や地域住民に道徳科の授業を公開し、学校・家庭・地域の連携強化を図る。
ブックスタートや家読(うちどく)など本との出会いをサポートするとともに、学校図書館においては、学校司書の配置・派遣によって児童生徒や教職員の情報ニーズに対応する資料購入、更新を支援するなど適切な蔵書構築を行う。
いじめの防止や不登校児童生徒への支援も含め、学校がチームで対応しながら、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを活用した教育相談につなげ、未然防止と早期発見・早期対応に努める。
1人1台端末を活用した不登校児童生徒とのコミュニケーションや学習支援について、学校の取組を促進する。
関係機関と連携した健康教育や栄養教諭を中心とした食に関する指導によって健康で豊かな食生活に対する児童生徒の関心を高めるほか、石狩産食材のより一層の活用を意識し安心・安全な学校給食を提供する。
【目標Ⅲ ふるさとへの愛着を持ち、幅広い視野で新しい価値を創造し、活躍する人を育てる】
▼学びを生かす地域社会の実現
学校を核とした地域づくりを推進するため、学校支援ボランティアを確保するとともに、地域コーディネーターを拡充するほか、公民館・社会教育課の執務室を市民図書館内に移し、社会教育分野のさらなる連携・充実を図る。
▼ふるさとを学ぶ機会の充実
ふるさと石狩への愛着と誇りを持つことができるよう、総合的な学習の時間での学習活動やテーマ展、体験講座、野外講座などの開催に加え、ふるさとを学ぶ機会の充実を図る。
旧石狩小学校円形校舎の公開は展示の充実を図りながら継続し、石狩の教育の歩みなどを伝えていく。
(市町村 2022-03-10付)
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