利尻富士町４年度教育行政執行方針　小中一貫教育を導入　島外の特支通学に助成金

（市町村 2022-05-11付）

吉田教育長

　【稚内発】利尻富士町教委の吉田秀昭教育長は、４年度教育行政執行方針において、利尻小学校・鬼脇中学校の小中併置校を施設一体型、鴛泊小学校・鴛泊中学校を施設隣接型として小中一貫教育制度の導入を目指していくことを表明した。また、新たに島外の特別支援学校に通学する保護者の負担軽減へ、年間を通じて交通費（フェリー運賃）の世帯定額助成を行う。

　執行方針の概要はつぎのとおり

◆新たな社会を生きる力を育む

▼義務教育９年間を通した資質・能力の育成

　小中一貫教育制度を導入し、義務教育９年間を連続した教育課程と捉え、児童生徒・学校・地域の実情等を踏まえた取組をしていく。具体的には、利尻小・鬼脇中の小中併置校を施設一体型、鴛泊小・鴛泊中を施設隣接型として導入を目指し、その推進体制を教育委員会、各学校、関係者と整備し、取組工程や保護者そして地域の声を聞きながら、児童生徒にとってどのような意義があるのかを学校と一体となって具体的に示していきたい。

▼新しい時代の学びの実現

　本町でのコロナ禍で学びを止めないＩＣＴ（情報通信技術）の活用は、先生たちが一丸となり取り組んでいただいた成果となって、安全・安心で持続可能な教育環境の確保として他の市町村の模範となれるまで進歩した。「学校デジタル化推進協議会（学校教育ＤＸ）」の活動を促すべく支援し、教職員のＩＣＴスキルの向上、働き方改革、子どもたちの探求心へとつながる、さらなる新しい環境づくりと学びの実現を目指す。

▼未来への道を切り拓く力の育成

　学力向上事業ではより多くの児童生徒の英語・数学・漢字検定の機会を促すとともに、国際理解教育の充実のため、外国語指導助手（ＡＬＴ）の配置を継続的に行う。特別支援教育においては、保護者との対話を重視しながら関係機関との連携をより強化し、個々の特性に応じて可能性を伸ばし、生活に即した活動を取り入れつつ、学んでいることの目的や意義が理解できるような支援体制を図るとともに、ＩＣＴを活用した主体的に学べる教材の積極的な活用に取り組む。

◆生涯を通じ個性が輝き豊かさを実現できる教育と学習

▼地域の共生と多様な社会への対応

　本年度から新たに島外の特別支援学校に通学する保護者の精神的かつ経済的負担を少しでも軽減するため、年間を通じて交通費（フェリー運賃）の世帯定額助成を行う。

(市町村 2022-05-11付)