文化芸術活動支援事業アンケート　資金面での課題多く　札幌市　発表等の場求める声

（札幌市 2023-01-16付）

　札幌市市民文化局は、文化芸術活動者への支援事業に関するアンケート調査結果をまとめた。３年度に実施した札幌市文化芸術活動実態調査の結果を受け、さらなる充実策を検討するため、文化芸術活動者を対象に実施したもの。文化芸術活動の課題として「収入を得るための場・機会」「発表の資金」など、資金面での課題を挙げる人が多いことが分かった。

　市では、文化芸術活動に関わる人々が新型コロナウイルス感染症の影響を受けていることを踏まえ、文化芸術活動に携わっている人の現状、課題およびニーズ等の実態を幅広く把握するためのアンケート調査として、３年に文化芸術活動実態調査を実施した。

　調査では「文化芸術活動をするに当たって不足している・課題だと感じていること」の設問に複数項目で７割程度の回答があった一方で「助成金・補助金を申請しなかった理由」として「情報を知らなかった」「自分の活動に適した助成金・補助金がなかった」との回答が多く寄せられ、文化芸術活動における支援充実の必要性が明らかとなった。

　これを受け、相談窓口の設置や助成金事業等の文化芸術活動者への支援事業について、さらなる充実策を検討するため、文化芸術活動者を対象としたアンケート調査を実施した。

　調査結果をみると、現在、最も力を入れて取り組んでいる文化芸術活動は「演劇」が３４・０％で最も高く、次いで「音楽（２２・９％）」、「美術（１４・４％）」の順となっている。

　文化芸術活動の課題については「場・機会」に関する項目の回答率が８８・８％で最多。次いで「資金（７９・８％）」、「人材（７６・６％）」などとなった。

　文化芸術活動に必要だと思う支援について「参加可能な発表機会についての情報提供」の回答率が６３・３％と最も高く、次いで「活動者間での発表機会のマッチング（４１・５％）」、「適当な会場の案内（３９・９％）」などとなっている。

　文化芸術活動をなりわいとしている人では「アーティストを必要としている依頼者・雇用者とのマッチング」の回答率が６８・１％で最多。次いで「参加可能な機会についての情報提供（５３・７％）」、「資金獲得に関するセミナー・コンサルタント等の情報提供（４３・６％）」などの順となった。

　期待する支援策に関する自由記述では「場所の確保、会場費の助成」「資金面の支援」「広報・情報発信」「啓蒙・教育」に関する意見が多く上がった。

　他分野との交流意向については「参加したい」と回答した人の割合が９２・０％と大半を占めた。

(札幌市 2023-01-16付)