北広島市 5年度教育行政執行方針 部活動地域移行 状況把握へ取組 西部地区小・中在り方検討
(市町村 2023-03-08付)

北広島市教育行政執行方針
吉田孝志教育長

 北広島市教委の吉田孝志教育長は、5年度教育行政執行方針を表明した。学校部活動の地域移行に当たっては、休日部活動の段階的な移行に向け、学校および地域の状況、各種団体の実情把握のための取組を進めるとした。また、学校適正配置に関するこれまでの審議会の議論や、保護者、地域との意見交換等を踏まえ、西部地区の小・中学校の在り方について、具体的な検討を進める。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【生きる力を育む学校教育の推進】

▼義務教育9年間の学びを支える教育活動の展開

 自己有用感を育みながら、中学校卒業時にふさわしい、確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和の取れた生きる力を育成するため、小中一貫教育を推進し、各中学校区の取組をさらに充実させる。

▼豊かな心を育む教育の充実

 市独自の福祉読本も活用しながら、考え、議論する道徳の授業等を展開する。

▼確かな学力を育てる教育の充実

 今日、児童生徒に求められる資質・能力を育むため、個別最適な学びと協働的な学びの充実を図るとともに、主体的・対話的で深い学びの視点による授業改善や個に応じたきめ細かな指導を行う。

▼健やかな体を育てる教育の充実

 健康・安全で活力ある生活を営むために必要な資質・能力を育むため、各学校の体力向上プランを改善するとともに、スポーツアカデミー事業等と連携した取組を推進する。

▼学校給食

 衛生管理を徹底し、栄養バランスの取れた安全で安心な給食を安定的に提供するとともに、赤毛米など北広島産の食材や有機野菜などを活用し、地産地消や郷土学習の推進に取り組む。また、生涯にわたり健康的な食生活が実践できるよう、学校における食の指導の充実を図る。

▼防災食育センター

 災害時における炊き出し等の応急給食機能と、平常時における防災や食育学習機能、学校給食機能を持つ複合施設として、6年度の供用開始に向け、建設工事を進める。

▼特別支援教育の充実

 特別支援教育支援員および特別支援学級介助員を全校に配置し、特別な配慮を必要とする児童生徒の学習や学校生活の支援に努める。また、家庭、学校、教育委員会、教育支援委員会等が連携し、一人ひとりの教育的ニーズに応じたきめ細かな対応を行う。

▼社会の変化や課題に対応した教育の推進

 社会的自立に向けて必要な資質・能力を育むため、5年度、小学1年生から取り組めるよう改訂し市独自のキャリアパスポート「きたひろ夢ノート」を活用しながら、義務教育9年間をつなぐキャリア教育を推進する。

▼姉妹都市子ども大使交流

 ふるさと意識の醸成を図るため、姉妹都市・東広島市の小中学生との相互派遣交流および給食交流に取り組む。

▼外国語教育の充実

 国際化社会で活躍する人材の育成に資するよう、外国語指導助手の活用や対話を重視した授業の充実を図るとともに、児童生徒の学習意欲の向上等を図るため、英語検定等の費用の一部を助成する。

【信頼され、魅力ある学校づくりの推進】

▼地域と共にある学校づくりの推進

 新たに、東部中学校区、西の里中学校区および広葉中学校区に学校運営協議会を設置し、全中学校区においてコミュニティ・スクールの取組を推進する。また、土曜授業や学校関係者評価など開かれた学校づくりを推進する。

▼教育環境の整備

 教職員が本来担うべき業務に専念できる体制を確保するため、市立学校における働き方改革推進計画に基づき、学校における働き方改革を推進する。また、学校部活動の地域移行については、休日部活動の段階的な移行に向け、学校および地域の状況、各種団体の実情把握のための取組を進める。

▼就学支援

 小・中学校の就学に必要な学用品や体育実技用具、インターネット通信費等の経費の一部を援助する。また、高校等への就学を支援するため奨学金等を支給する。

▼学校施設の整備

 緑陽中学校内部設備改修工事や、東部小学校および大曲小学校の暖房機更新のための実施設計など施設・設備の改修を進める。

▼学校適正規模・適正配置の検討

 児童生徒がより良い教育環境や適正な集団規模の中で学ぶことができるよう、引き続き、審議会における議論、保護者、地域との情報共有や意見交換等を進める。なお、これまでの審議会の議論や、保護者、地域との意見交換等を踏まえ、西部地区の小・中学校の在り方について、審議会に追加して諮問したところであり、今後、具体的な検討を進める予定。

▼学校ICT環境の整備

 学びの質の向上と校務の効率化のため、小学校の校務用コンピューターを更新するとともに、専門事業者を活用し、ICTの運用支援を行う。

▼帰国・外国人児童生徒に対する教育支援

 新たに日本語指導ボランティアを派遣し、支援が必要な児童生徒に対する指導の充実を図る。

▼夜間中学「札幌市立星友館中学校」への入学者に対する支援

 授業料等の学校運営費の負担や就学援助によって、様々な理由で中学校を卒業できなかった方々の教育機会の確保を図る。

【やさしく支え合う教育連携の推進】

▼幼児教育・家庭の教育力向上への支援の充実

 幼児教育と小学校教育との円滑な接続を図るため、交流会等の機会を通じて、幼稚園・保育所・認定こども園・小学校・学童クラブ・子ども発達支援センター・家庭と連携した取組を進めるとともに、市PTA連合会と連携した家庭の教育力向上などの取組を推進する。

▼教育相談体制の充実

 新たに、福祉に関する専門的な知見を持ったスクールソーシャルワーカーを配置するとともに、引き続き、子どもサポートセンター相談員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーおよび心の教室相談員を配置し、学校や関係機関と連携して、いじめや不登校の未然防止、早期発見・早期対応の取組および不登校児童生徒等の支援に取り組む。

▼いじめの問題

 未然防止に向けて、市いじめ防止基本方針に基づき、学校等において学習や啓発の機会を設けるとともに、関係機関との連携を図る。

▼不登校児童生徒への対応

 各学校における教育相談体制の充実や小・中学校の一体的な取組によって、未然防止に努めるとともに、適応指導教室みらい塾を、学校復帰だけではなく、将来に向けた社会的自立を支援する施設としての性格を明確化するため、教育支援センターみらい塾と改称し、学校と連携した指導や支援、相談など、きめ細かな対応を進める。

▼地域が支える健全育成活動の充実

 家庭、学校、地域、関係機関との連携を強化するとともに、各地区における青少年の健全育成活動を支援する。また、インターネットやメディアの適切な利用を促進するため、教育委員会と市PTA連合会が協働して作成した「北広島アンビシャス4ルール」を活用し、家庭内でのメディア利用に関するルール作りなど、家庭、学校、行政が連携した取組を進める。

▼青少年の安全対策

 市通学路交通安全プログラムに基づき、学校、教育委員会、道路管理者および警察による合同点検を実施する。また、引き続き、専任指導員による巡回パトロールや厚別警察署と連携した防犯教室等を実施するとともに、家庭、学校、地域と連携した取組を進める。

▼放課後子ども教室

 放課後の空き教室を活用し、児童の安全・安心な居場所を提供するとともに、学習やスポーツ・文化活動等の機会の充実を図る。

【結び合い、学び合う社会教育の推進】

▼学び合う生涯学習機会の充実

 まちづくり・地域づくりに参画する人材の育成に向け、公民館を拠点として多様な学習機会を提供する。また、共生社会の実現を目指し、障がい児・者の社会参加の機会となる学びや体験機会の充実に取り組む。

【生涯にわたる読書活動の推進】

▼小学校のデジタル社会科副読本

 広く市民が郷土学習の一環として閲覧・活用できるよう、インターネット上において一般公開する。

▼地域まるごと読書活動支援の充実

 保育施設等への絵本巡回事業や家庭への貸し出し、大曲地区において「まちなか司書」を小学校や保育施設等に派遣し、読み聞かせを行うなど、子どもの読書活動を推進する。

▼学校図書館との連携

 児童生徒の読書活動の充実や授業支援のため、小学校においては児童図書巡回事業やブックキャラバン、司書による環境整備、中学校においては司書の巡回配置を引き続き実施する。

(市町村 2023-03-08付)

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