江差町教委　５年度から小・中で　校長の予算執行枠新設　特色ある学校づくりを促進

（市町村 2023-03-20付）

　【函館発】江差町教委は次年度から町立小・中学校の校長が予算執行を行う「学びのカタチづくり推進モデル事業」を開始する。学校の自立度を高め、特色ある学校づくりや地域連携を促進することをねらいとしたもので、事業費は１校当たり１０万円。対象となる取組は教職員の研修・研究や児童生徒の教育活動の充実、学校長の経営ビジョン実現など多岐にわたる。出﨑雄司教育長は「各校で知恵を出し合い、大きな教育効果を上げてほしい」と期待を寄せている。

　市町村立学校の運営予算は学校規模、児童生徒数、教職員数等に応じて各自治体が予算を配分する。内訳は光熱費などの経常的な経費や施設整備等の管理費などが大半を占めている。

　こうした制度の改革に向け、町教委は学校の独自性を発揮し、各校の児童生徒に応じた教育課題への対応を進めるため、学校長の裁量による予算執行を認めるモデル事業を次年度から３ヵ年計画で展開。事業費は小学校費・中学校費計５０万円で全額一般財源。各年度で検証・改善を図るほか、事業の拡充についても検討していく。

　執行の対象となる事業内容は①児童生徒の教育活動の充実②地学協働の推進③教職員の研修・研究④保護者・地域との連携の推進⑤学校長の経営ビジョン実現―の５点を設定しているが、内容に応じて柔軟に対応する。

　町教委によると、具体的な活動には、これまで地域住民がボランティアで実施していた子どもの見守り活動に対する謝礼、外部講師を活用した学習、コミュニティ・スクール活動など、地域と連携した取組の推進などが想定されるという。

　学校長の裁量による予算執行について、出﨑教育長は「町教委と学校の信頼を深め、働き方改革や特色ある教育活動の推進につなげたい。各校から“やってみたい”と思える取組が多く提案されればうれしい」と話している。

(市町村 2023-03-20付)