帯広市教委4年度全国体力等調査 小学男女体力合計点 全国・全道上回る 中学男女は全道平均以上(市町村 2023-03-20付)
【帯広発】帯広市教委は4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を公表した。小学校男女の体力合計点は全国・全道平均を上回り、中学校男女は全国平均を下回ったものの、全道平均を上回った。学校質問紙調査では、体力・運動能力向上の目標設定、ICTの活用が小中共に100%を達成。市教委は今後、エリア・ファミリー構想を生かした取組を充実させる。
調査は昨年4~7月、小学校26校の5年生1329人、中学校14校の1182人(義務教育学校は前・後期課程を分けて換算)を対象に実施した。
実技に関する調査結果をみると、体力合計点は小学校男女いずれも全国および全道平均を上回り、男子は平成29年度、女子は28年度以来の好結果を残した。中学校は男女共に全国平均を下回ったものの、全道平均を上回った。
全国平均を上回った種目に関して、小学校は男女共に「握力」「長座体前屈」「反復横跳び」「立ち幅跳び」「ソフトボール投げ」の5種目で、前年度より増加。中学校男子は前年度と同様に「長座体前屈」「20メートルシャトルラン」「ハンドボール投げ」の3種目。中学校女子は全種目で全国平均を下回った。
児童生徒質問紙調査では「運動やスポーツは大切なもの」「中学校に進んだら自主的に運動やスポーツをする時間を持ちたい」と回答した割合が、小中男女共に全国平均を上回った。「体力テストの結果などをもとに体力の向上について、自分なりの目標を立てている」と回答した割合においては、小学校女子、中学校男子が全国平均を上回った。
学校質問紙調査では「学校全体の体力・運動能力向上の目標設定をした」「授業中のICTの活用」が小中共に100%を達成。「家庭との連携」は小学校100%、中学校92・9%で、全国平均を大きく上回った。
結果を踏まえ、市教委は今後①調査結果の分析による自校の課題の明確化②エリア・ファミリー構想を生かした取組の充実③家庭や地域、関係機関と連携した取組―の3点に重きを置いて児童生徒の体力向上を目指す。
◆エリア・ファミリー構想生かし体力向上チーム再編成
帯広市教委は5年度、中学校区内の各校種による連携体制「エリア・ファミリー構想」を生かした体力向上推進プロジェクトチームの再編成を進める予定だ。各エリアの体力向上推進部会から教諭を選出してもらい、校区内の実態に応じた特色ある取組の推進を図る。「1エリア1実践」を本格化し、教職員の指導力向上に向けた研修の充実、効果的なICT活用の研究などに期待が寄せられている。
エリア・ファミリー構想は、中学校区を1つのエリアとして幼稚園、保育園、児童保育センター、小・中学校の連携体制を強化するもの。
平成22年度から市内モデル校の取組を踏まえ順次拡大し、31年度には「市小中一貫教育推進基本計画」をもとに、各エリアに生徒指導部会、学力向上推進部会、体力向上推進部会を設置した。
児童生徒の体力向上に関して、市教委はこれまで、市内の体育専科教員等による体力向上推進プロジェクトチームを設置し、教職員の指導力向上や授業改善に取り組んできた。本年度は教職員研修、中学校の体育専科教員や大学教員による小学校への出前授業、小・中学校が連携した体育授業などに取り組み、エリア・ファミリー内で連携した体力向上推進の土台づくりに励んだ。
5年度からは「1エリア1実践」を本格化し、小中一貫教育の視点に立った取組を一層進める。各エリア・ファミリーの体力向上推進部会が教諭を選出し、体力向上推進部会プロジェクトチームを再編成することで、エリア内の取組の活発化を図る。本年度の取組を踏まえた活動の推進や、教職員の指導力向上に向けた研修の充実を目指す。
また、本年度の調査結果から、学校はICTを活用した体育授業を展開しているものの「ICTを使った学習で“できたり、わかったり”する」と回答した児童生徒の割合が小中男女共に全国平均を下回り「学校と子どもの意識のずれ」が課題に挙がった。
プロジェクトチームでは、体育授業におけるICTの効果的な活用方法等を研究し、学習者の視点に立った授業改善を進め、エリア内での取組の共有化を図っていく。
市教委の西田健一学校教育指導課長は「小中間のつながりを強化し、エリア内の実態に応じた特色ある取組が効果的に進むことを期待している」と話している。
(市町村 2023-03-20付)
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