幌延町　５年度教育行政執行方針　デジタル教材を活用　特別支援教育支援員を配置

（市町村 2023-03-20付）

青木教育長

　 【稚内発】幌延町教委の青木順一教育長は、定例町議会で５年度教育行政執行方針を説明した。教育の充実に向けては「小学校高学年の教科担任制、習熟度別指導や個に応じた指導に取り組むとともに、１人１台端末をはじめとするＩＣＴ機器やＡＩドリルなどのデジタル教材を効果的に活用し、子どもたちが主体的に学ぶ授業を充実させる」と宣言した。このほか、インクルーシブ教育の実現に向け、通常学級での特別支援教育支援員配置による指導の充実を図るとした。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学ぶ権利の保障

　子どもたちがこれからの時代を生きるために必要な資質・能力を発達の段階に応じ、確実に身に付けさせることが重要。そのため、学習指導要領の趣旨・内容を踏まえ「主体的・対話的で深い学び」の視点に基づく授業改善やＩＣＴの効果的な活用を図り、個別最適な学びや協働的な学びの充実に努め、小中の系統性・連続性を踏まえた学ぶ権利保障の取組を推進する。

　また、令和の幌延教育の充実を図るため、小学校高学年の教科担任制、習熟度別指導や個に応じた指導に取り組むとともに、１人１台端末をはじめとするＩＣＴ機器やＡＩドリルなどのデジタル教材を効果的に活用し、子どもたちが主体的に学ぶ授業を充実させる。さらに、小中交流学習や中学校教諭による小学校への乗り入れ授業など、学びの系統性・連続性を踏まえた授業改革に取り組む。

▼教育内容の充実

　令和の日本型学校教育を目指し、個別最適な学びと協働的な学びを一体化し「主体的・対話的で深い学び」の授業改革を行うとともに、運動やスポーツに親しむ機会や運動の習慣化につながる取組を実施し、体力向上を図る。

　そのため①「児童生徒学力向上推進事業」や学力向上に向けた授業改革を進め、確かな学力を育成②９年間で育てたい子ども像の設定や指導内容の系統化、指導方法の継続化など小中一貫教育を力強く進める③スタートカリキュラムの設定や遊びと学びの関連を意識した幼児教育施設と小学校との連携を促進④１校１実践の推進や学校給食を補助し健やかな体を育成⑤「生活リズムチェックシート」を活用し、運動、学習、食事等が調和した生活習慣の定着を図る。

▼豊かな心の育成

　子どもたちの豊かな人間性を育むためには、他人を思いやる心や生命を尊重する心、公正さを重んじる心、自己肯定感等、自分の生き方を主体的に考え、行動することが重要。

　そのため①町いじめ防止基本方針に基づき、いじめに関するアンケートやより良い学校生活と友達づくりのためのアンケート、計画的な教育相談を実施②子どもたちがネットトラブルの被害者や加害者にならないよう、インターネット利用における情報モラル教室の開催や家庭でのインターネット利用時間等のルール作りを啓発③教育活動全体を通じて、自己決定の場面の設定、共感的な人間関係の構築、自己有用感を高め、自己指導能力の育成を図る④人権教育を推進するなど豊かな人間性を育成する。

▼特別支援教育の推進

　特別支援教育においては、共生社会の形成に向けて、障がいのある子どもと障がいのない子どもが共に学ぶインクルーシブ教育の充実を図ることが重要。

　そのため①幌延町特別支援教育連携協議会を中心に、稚内養護学校や各関係機関と連携し、教育相談の充実を図る②「幌延町子育てファイル」や「個別の教育支援計画」をもとに長期的な視点で乳幼児期から中学校卒業まで、個に応じた的確な教育的支援に努める③巡回相談やパートナーティーチャーを活用するなど支援体制を充実させる④通常の学級においても支援を必要とする児童のために、特別支援教育支援員を配置し、個に応じた指導の充実を図る。

(市町村 2023-03-20付)