中札内村 5年度教育行政執行方針 持続的な部活動環境を 中学校制服選択制導入へ(市町村 2023-03-27付)
上田教育長
【帯広発】中札内村教委の上田禎子教育長は5年度教育行政執行方針において、専任のコーディネーターを中心に部活動の地域連携による持続的な活動の環境整備に取り組む意向を示した。また、中学校において性の多様性に対応しつつ、時代に即した生徒にとって心地良いジェンダーレス制服の選択制導入に向けて協議を行う。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼学校教育の推進
組織的・機動的な学校教育の推進では「確かな学力」の向上を図るため、保育園、小・中学校が連携しながら、子どもの学習状況を的確に把握した指導を行うとともに、家庭における学習習慣の定着に取り組む。
幼児教育は生涯にわたる人間形成の基礎を培う重要な時期であることを踏まえ、家庭・保育園・学校と地域が連携しながら総合的に子どもを育てる環境づくりを進める。
義務教育においては、学習指導要領のもと、育成すべき資質・能力の3つの柱としての「学びに向かう力、人間性等のかん養」「知識および技能の習得」「思考力、判断力、表現力等の育成」の推進に向け効果的な学校運営に努め、全ての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実することを目指す。
国際社会に対応し得る外国語教育の推進では、外国語指導助手2人による指導体制で、英語教科や外国語活動などにおいて生きた英語に触れる機会を計画的につくる。
特別支援教育の推進では、保育園・小学校・中学校が連携し、特別支援学校である中札内高等養護学校や南十勝こども発達支援センター、スクールカウンセラーなどの協力をいただきながら、教育支援委員会で情報共有と適切な支援の協議を行い、保護者の理解を得ながら、きめ細かな指導と一貫した支援を行う。
小・中学校においては必要に応じて学校特別支援員を配置し、児童生徒の学校生活・学習活動を支援するほか、医療的ケアを必要とする児童を支援するため、看護師を派遣する。
ふるさと教育の推進では、地域の特色を生かした体験学習や職業体験、地域人材の活用などによって、郷土を愛し、ふるさとを大切にする心の教育に取り組む。
GIGAスクール運営支援センターにおいて、円滑なICT教育が展開できるよう運用面の支援を行う。
道徳教育の推進では、規範意識や倫理観、思いやりを持ち、自他の生命を尊重する心を育てるため、小・中学校9年間の指導計画による体系的な道徳教育を推進する。
本年度から中学校において性の多様性に対応しつつ、時代に即した生徒にとって心地良いジェンダーレス制服の選択制導入に向けて協議を行う。
健やかな心身の成長を促す教育の推進では、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を踏まえ、児童生徒の取組の成果や課題について分析を行い、授業改善、部活動やスポーツ少年団活動の支援に加え、望ましい生活習慣や正しい食生活の確立に努める。
いじめの防止や不登校児童生徒への支援については、いじめ等の未然防止、適切な実態把握による積極的な認知と早期発見を基本として、組織的かつ迅速な対応に取り組む。
各校にスクールカウンセラーを配置し、子どもたちへのカウンセリングや教員・保護者に対する相談対応などで学校と家庭を支援する。
地域や保護者に信頼され、児童生徒にとって魅力ある学校づくりでは、地域参観日の開催や学校だよりの全戸配布などによって、地域住民との積極的な情報共有を行い、開かれた学校づくりを進める。
地域の特性を生かし、自然や伝統文化、芸術活動など、学校ごとの特色を生かした活動が実践されるよう支援を行う。3年度から導入している小学校選択制度は継続する。
全教職員が自校の学校経営方針、重点目標を共有し、学校評価に基づく組織的な学校改善を推進するとともに、教職員の専門性や実践的指導力の向上を図るため、更別村と共同で配置している指導主事による支援、ICT機器の活用を含めた校内研修などの教職員研修の充実と各種研修への参加を促す。
教員が児童生徒と向き合うための時間を確保するため「村立学校における働き方改革推進プラン」に基づき、学校閉庁日の設定や部活動休養日の取組を進めるほか、校務支援システムの活用によって、教職員の校務の効率化を図り、時間外勤務の縮減に努める。
地域の大人が力を合わせて子どもたちを共に育てる地域協働型学校づくり協議会(コミュニティ・スクール)の活動を推進し、学校支援ボランティアの活用、小中連携による一貫教育に取り組み、学校とPTA、子ども会、教育関係者などが連携して地域に根差した学校運営を進める。
上札内小学校における山村留学事業は、本村の豊かな自然環境の中で様々な体験活動や地域住民との交流を通して、児童の成長を育み、地域の活性化を図る。
高校・高等教育の支援では、高校等に就学する生徒の保護者の経済的負担を軽減するとともに、教育環境・子育ての充実と人材育成を目的とした「高校生育成支援金」については、月額1万円のほかに本年度から入学時の負担軽減として、新入学生に5万円を交付する。
経済的支援が必要な世帯に対し、通学費および下宿代の一部を助成する「通学費等助成事業」および「永井明奨学金制度」によって支援を行う。
▼国際・地域間交流の推進
富山県南砺市や埼玉県川越市の子どもたちとの交流事業を実施し、互いの文化や風土の違いなどに触れ、コミュニケーション能力や自立性を育む機会として実施する。
国際交流の推進では、アメリカ合衆国ハワイ州のエバ・マカイ・ミドルスクールとの相互交流の再開に向けて準備する。
▼文化・芸術、スポーツの振興
文化・芸術では、郷土芸能や文化団体の活動を支援するとともに、村民主体の「文化祭」の実施や公演等の開催支援、更別村と連携した「学校舞台芸術鑑賞」など、芸術に親しむ機会の提供に努める。
「子どもアートプロジェクト」事業は、武蔵野美術大学および昭和音楽大学との連携事業を再開し、対話型鑑賞など児童生徒が大学生との触れ合いを通じて、想像力を磨き豊かな感性を身に付ける取組を進める。
学校における働き方改革の観点を含め、本年度以降の3年間は、休日における部活動の段階的な地域移行の推進期間に位置付けられている。
この方針を踏まえ、本村も本年度から専任のコーディネーターを中心に部活動の地域連携による持続的な活動の環境整備に取り組む。
(市町村 2023-03-27付)
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