上ノ国町5年度教育行政執行方針 高校入学者確保へCS導入など 部活動の地域移行検討も
(市町村 2023-03-28付)

上ノ国町教育長矢代智樹
矢代智樹教育長

 【函館発】上ノ国町教委の矢代智樹教育長は5年度教育行政執行方針において、コミュニティ・スクールを立ち上げる意向を示し、上ノ国高校の入学者確保に向け、小・中学校との連携を一層深めていくとした。また、部活動の地域移行の可能性について検討を進めていくとした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

 家庭教育については、コロナ禍による家庭の孤立化が進み、子どもを育てることが困難な社会となっているが、学校教育の始まりまでに育ってほしい姿を共有し、保護者に対する学習機会や子育て情報の提供・相談など支援に努める。

 子どもたちの健全育成については、人との接触を避ける生活様式の変化によって、ストレスを抱える児童生徒も多いと思われるが、学校、家庭、地域が連携し暖かく見守りながら非行防止に努める。

 長年本町の教育指針として地域に根差し、実践を重ねてきた「学びの共同体」を基盤としながら、多様な見方、考え方を大切にし、変化を前向きに受け止め、主体的に課題を見つけ協働して解決できる能力が必要と考えている。

 このため、保護者のほか地域の関係者の意見を学校経営に反映し、地域の方々が学校経営に参画する学校運営協議会(コミュニティ・スクール)を立ち上げる。

 また、地域と一体となった教育を進める上ノ国高については、入学希望者の減少など今後も厳しい学校運営が予想されるが、小・中学校との連携と接続の充実を図り、地域の未来を担う生徒の夢や希望を育てる中等教育の充実に支援していく。

 学校における働き方改革については「上ノ国町アクション・プラン」をさらに推進させ、子どもたちの学びのために、教員も限られた勤務時間の中で最大限の効果を上げる働き方を考えるとともに、部活動の地域移行の可能性について検討していく。

 ICT教育については、ICTを効果的に活用し、教員が「教える授業」から、子どもたちが学習への興味関心を高め、「主体的・対話的で深い学び」に向けた授業改善と、教員のICT活用技術の向上と学習支援に取り組む。

 幼児教育については、生涯にわたる人格形成の基礎を培う役割を担っており、「教育の始まり」としての重要性を踏まえ、保・小の架け橋期のスタートカリキュラムの実践や、保育士と教員との連携接続の強化を図る。

 外国語教育は、外国語専科指導教員と外国語指導助手の配置によって、外国語を通じてコミュニケーション能力を育む授業づくりと、ICTを活用しながら国際理解の意欲を高める指導の工夫に努める。

生徒指導については、望ましい人間関係を築く力を育むとともに、困難な時代を生き抜くための資質・能力と他者を尊ぶ心を育て、いじめや不登校の未然防止を図るため、引き続きスクールカウンセラーを配置していく。

 安全教育については、地震や津波、台風など自然災害から命を守る防災教育の充実と防犯、交通安全に対する意識の向上、また、ネット犯罪やトラブルに巻き込まれることが心配される。情報モラル教育の実践に、上ノ国高生の協力によるピアサポート活動を支援していく。

 小規模・複式教育については、地域、教員、子ども同士のつながりと、少人数のメリットを生かした教育活動が小規模校の利点であるが、中学の学びにおいても臆せずに自ら考え、意見を交わし、共に学び合える力を身に付けさせるため、学年間や小中連携などの活動を進めていく。

 特別支援教育については、障がいのある子どもたちの可能性を伸ばし、育むべき資質・能力を確実に身に付けることができる教育の推進が必要であるが、児童生徒一人ひとりが充実した学校生活を過ごすことができるよう「特別支援教育支援員・介助員」などを配置する。

 読書活動については、「第3次町子ども読書推進計画」に基づき、読書習慣の定着に向けた啓発活動や、発達段階に応じて読書に親しむ機会の提供づくりに活動する、読み聞かせボランティアグループを支援していく。

 体力づくり・健康づくりについては「全国体力・運動能力・運動習慣等調査」の結果などをもとに、バランスの取れた体力、運動能力を身に付けるため、楽しく遊ぶことを通して無理なく体力向上を図るための授業づくりを進める。

(市町村 2023-03-28付)

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