道特長総会 須見会長あいさつ 横のつながり大切に 課題解決へ資質能力向上を(関係団体 2023-05-15付)
須見会長
9日にホテルライフォート札幌で開かれた道特別支援学校長会の本年度総会・春季研究協議会(12日付1面既報)における、須見千慶会長のあいさつ概要はつぎのとおり。
コロナ対応も4年目の春を迎え、8日から5類への移行となるなど、新たな段階へと進んだ。しかしながら、現状においては、マスクの着用などは既に新しい生活様式として定着しているようにさえ感じられる。
本年度の総会・春季研究協議会は対面参集方式での開催とさせていただいた。行動制限等はないが、引き続き感染対策を十分に取り、2日間安全・安心な研究協議会となるよう努めていきたい。
さて、このたび新会員となった7人の校長を心より歓迎する。早速、校長としての重責を実感されていることかと思う。
コロナ禍の3年前の総会・春季研は、全国一斉の臨時休業中で、特別支援教育センターや各教育局等をテレビ会議システムでつなぎ、支部単位などで最寄りの会場に集まり、総会のみ短時間で行うことから始まった。
3年度は、特別支援教育センターを配信センターとし、ウェブ会議アプリを活用して各校をつなぎ、1日の日程で総会ならびに研究協議会を行うなど、年々工夫しながら行った。ウェブ会議アプリを活用した方法が定着すると、オンライン形式ではあったが、ほぼ例年どおりの内容で実施することができるなど、この3年間で会議の形が大きく変わった。
また逆に、失ったものも少なくはなく、会員相互のコミュニケーション不足や、会務を遂行するために必要な時間の確保などについて十分なものとは言えない状況であったと感じる。
徐々に参集に戻りつつある本年度は、これらの反省等も踏まえて、各支部、各障がい種別校長会などの様々な場面での横のつながりを大切にして、より一層の連携を深めるとともに、リーダーシップを発揮する管理職、学校ビジョンを具体化する管理職、様々な教育資源を効果的に活用する管理職として、会務を通して管理職の資質を高めていきたいと考える。
さて、国の特別支援教育を巡る動向に目を向けると、前年度、高等部においても学年進行で新学習指導要領が実施となり、特別支援学校においても、幼稚部から高等部まで新たな学習指導要領での教育課程が行き渡った。
つまり、本年度高等部に入学する生徒は、全面実施に先立って平成30年度から先行実施された教育課程で、既に小学部5年から「主体的・対話的で深い学び」での授業を経験している。さらに、3年間にも及ぶコロナ禍で急速に進んだ「1人1台端末」でICT機器の活用も経験している。
そして、令和6年度から小学校で使用される全ての教科書には2次元バーコードが記載され、デジタル対応が進展しており、もはやICT機器は授業における基本的な学習ツールとなっている。
これらのことから、本会においても「令和の日本型学校教育」で示された「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実させ、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けてさらなる授業改善を進める必要があると考える。
一方で、この4月から教員免許更新制が発展的に解消され「新たな研修制度」が実施される。年度末には初めての定年引き上げとなる。また「道教育推進計画」「特別支援教育に関する基本方針」が成案化されるとともに「北海道における教員育成指標」が改訂された。
さらに、新たな特別支援学校人事異動要項の検討、副校長・教頭を含めた働き方改革など、大きな懸案事項なども残されている。
このほか、各障がい種別固有の課題や学校ごとの課題など、解決を図らなければならない課題も多く、どれも簡単に解決できる課題ではないが、本会として課題解決に向けて関わるなど、着実な取組を進めていきたい。
5年度、本会は創立60周年を迎えた。これを機会に、私たち道特長の存在意義をあらためて見つめ直し、これまで多くの先輩方がたどられた足跡を振り返るとともに、丁寧に積み重ねてきた会務を正しく理解した上で、今の時代、あるいはこれからの時代に応じた校長会の姿を皆さんと共に考えていきたい。
3年以上に及んだ新型コロナウイルス感染症への対応のほか、世界的な政治・経済の不透明感が大きく横たわっている。子どもたちの学びを守り、特別支援教育を充実・発展させていくために、本年度も、本会が各校の様々な課題解決に向けて会員一人ひとりの能力をブラッシュアップしていく場となるよう期待している。
そして、道教委ならびに特別支援教育センターとの密接な連携とともに、会員相互の十分なコミュニケーションを図り、会務を進めていきたい。皆さんの理解と協力をお願い申し上げ、開会に当たってのあいさつとする。
(関係団体 2023-05-15付)
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