春の稚魚観察会に札幌山の手小 ヤマメがいっぱいだね 自然との触れ合い楽しむ(札幌市 2023-06-08付)
放流の影響について学ぶ子どもたち
環境教育の一環として各地で行われている稚魚放流が元来の自然に影響を与えているとして、その有効性に一石を投じている山の手ヤマベ里親の会(二本柳健司会長)が5月中旬、札幌市内の琴似発寒川で春の稚魚観察会を実施した。長年継続していた春の稚魚放流に替えて初めて開いたもので、札幌市立山の手小学校(谷寧校長)の児童約20人が参加。二本柳会長は「稚魚を放流しなくても野生のヤマメがたくさん生息していることを知って」と呼びかけた。
同会は、山の手地区の小学校と共同で設立した団体で、15年以上、ヤマメの飼育と放流を通じて子どもたちへの環境教育を行ってきた。しかし、同会に協力している㈱北海道技術コンサルタント(札幌)の渡邊恵三技術部長(札幌市環境保全アドバイザー)や国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所の長谷川功主任研究員、佐橋玄記研究員、豊平川さけ科学館の中村慎吾氏との話し合いの中で「琴似発寒川には自然再生しているサクラマス(ヤマメの成魚)がたくさんいる」「放流した稚魚が元々の自然に影響していることは間違いない」との結論に至り、昨年12月に稚魚放流を中止することを決定した。
この日は方針転換後の初となる事業で、例年行ってきた放流会に替わる観察会を実施。山の手児童会館に通う同小の1~4年生約20人が琴似発寒川の河川敷に訪れた。
観察会では、渡邊氏や中村氏が開会前に採捕したヤマメの稚魚約80匹を水槽に入れて展示。流れが緩やかな場所で泳ぐヤマメの観察も行い、子どもたちに自然との触れ合いを楽しんでもらった。
このほか渡邊氏、長谷川氏らがパネルを使ってヤマメの生態や同河川のサクラマスの産卵場所などを説明。「放流した稚魚は弱くて生きられないことも分かってきた。これからは放流しなくてもたくさんの野生のヤマメがいる琴似発寒川を大切にしてほしい」と呼びかけた。
二本柳会長は「道内で行われている放流事業の稚魚には本州産の卵からかえったものがある。同じ魚種でも外来生物になってしまうので元来の自然に影響があることを伝えていきたい」と話した。
同会では、秋にサクラマスの遡上・産卵の観察会を予定している。
(札幌市 2023-06-08付)
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