生成AI利用へ文科省指針案 活動効果で適否判断 中高で試験導入 校務利用も(道・道教委 2023-06-30付)
文部科学省の生成AI利用に関するガイドライン案の概要が明らかとなった。初等中等教育段階における生成AI利用の適否に当たっては、子どもの発達段階や利用規約の順守を前提とした上で「教育活動の目的を達成する上で効果的か否かで判断すべき」と記載。考えられる活用例や不適切な例のほか、読書感想文など長期休業中の課題における留意事項を示す。一部の中学校・高校で試験的に生成AIを導入して活用事例を蓄積するとともに、校務における生成AI活用に向けた実証研究を開始するなど今後の方針も示した。
ガイドラインは、学校関係者が生成AIの活用の適否を判断する際の参考資料として作成するもの。現時点の知見に基づく暫定版で、一律に禁止・義務付けを行う性質のものではないとしている。
現時点における基本的な方向性として「生成AIの活用が有効な場面を検証し、限定的な利用から始めることが適切」とし、懸念やリスクに対策を講じることができる一部の中学校または高校で試験的に利用を開始し、子どもの実態に応じて生成AIを学びに生かす力を段階的に高めていく方針を示した。
学校外で使われる可能性もあることから、全ての学校で情報モラルを含む情報活用能力の育成を強化。教員のAIリテラシー向上を図る研修に取り組む。
準備が整った学校で、校務における生成AI活用に向けた実証研究を推進。教材、テスト問題のたたき台など指導に関わる業務のほか、学校行事、部活動、学校運営に関する業務を支援。多くの学校での活用に向けた実践例を創出する。
利用の適否に当たっては、子どもの発達段階や実態、年齢制限や保護者同意等の利用規約の順守を前提とした上で「学習指導要領で示す資質・能力の育成を阻害しないか、教育活動の目的を達成する上で効果的か否かで判断すべき」とし、初等中等教育段階で考えられる活用例や不適切な例を盛り込む。
読書感想文、日記、レポートなど長期休業中の課題を課す際に想定される留意事項も記載。コンクールに応募する場合に不適切または不正行為に当たる場合の事前説明や、自身の経験や前提となる学習活動を踏まえたかどうかなどの評価の視点を示す。
このほか、個人情報やプライバシーに関する情報保護、教育情報セキュリティー、著作権保護の観点に基づく留意事項のほか、学校で活用する際のチェックリストを盛り込む。
(道・道教委 2023-06-30付)
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