石狩市 6年度教育行政執行方針 デジタル支援ツール 小学校に試験導入 ICT支援員等増員し体制整備(市町村 2024-03-04付)
佐々木教育長
石狩市教委の佐々木隆哉教育長は、2月22日に開会した第1回定例市議会で6年度教育行政執行方針を発表した。新たに協働学習・交流学習に特化したデジタル支援ツールを小学校に試験的に導入するなど、主体的・対話的で深い学びの充実を図る。また、ICT支援員を増員し、学校に対してきめ細かな支援を展開する。不登校児童生徒への支援については、通級生が増加している「ふらっとくらぶ」の指導員を増員し、支援体制の充実を期す。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【自ら学ぶ意欲をもって、主体的に社会に関わり、新しい時代を生きる力を育てる】
▼新しい社会で生きる力の育成
学校組織マネジメントの一層の充実によって「伸びしろ層・中間層・定着層の各層が伸びる学習指導」「AIドリルを有効活用した補充学習」「家庭学習の習慣化に向けた指導」等の取組を改善・発展させ、児童生徒一人ひとりの確かな学力の育成を図る。
6年度は新たに、協働学習・交流学習に特化したデジタル支援ツールを試験的に小学校に導入する。これまで普通教室に整備してきた電子黒板を特別教室にも計画的に拡充配備し、1人1台端末と連動した実習や実験の授業展開を図る。
ICT支援員を増員するとともに、ICTを活用した授業支援、校内研修などの充実を図り、1人1台端末の利活用促進、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図る。
一人ひとりの教育的ニーズに応じた一貫した支援を行うため、就学前からの教育相談の実施や「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」の活用によって、子どもたちの未来を見据え、計画的・組織的な教育活動を推進する。
▼学びを支える家庭・地域との連携・協働の推進
中学校の試験期間に合わせた小学校の家庭学習強化週間の設定や「AIドリル」を活用した家庭学習の充実など、学習習慣の確立に向けた取組を継続するとともに、小中の連携による生活規律の確立に向けた取組を継続する。
▼学びをつなぐ学校づくり
新たに「小中連携の日」を中学校区ごとに定め、小中相互に授業を参観し、研究協議や中学校区の課題に関する協議を行い、児童生徒の学びの質の向上と、小学校から中学校への円滑な接続を図っていく。
「幼保小連携協議会」を継続して、認定こども園等と小学校の連携が自走できるよう支援し、各小学校におけるスタートカリキュラムの確実な実施と適切な見直しを通して、幼児期の学びと育ちを義務教育へとスムーズにつなげていく。
コミュニティ・スクールについて、6年度は学校運営協議会に交付金を交付するほか、学校支援ボランティアの確保と地域コーディネーターのさらなる掘り起こしなどに努め「学校を核とした地域づくり」の実現に向けた取組が実を結ぶよう取り組んでいく。
専門的な知識や技術を持つ部活動指導員を増員し、地域の実情に応じたスポーツ・文化芸術活動の最適化を図るとともに、地域のスポーツ・文化関係団体や学校などで構成する協議会において部活動の地域連携・地域移行等に関する議論を本格化させていく。
浜益区において、8年4月の開校を目指し、保育園と一体型の義務教育学校の整備に取り組む。6年度から建設工事に着手するとともに、引き続き学校や地域と丁寧に対話を重ねながら、学校の名称や教育目標、経営方針、教育課程の検討など、開校に向けた準備を進めていく。
学校の暑さ対策については、夏休み期間の延長や、暑さ指数・熱中症警戒アラートを活用するほか、冷房設備設置検討調査の結果がまとまり次第、可能な限り速やかに学校への冷房設備の設置を進めていく。
学校における働き方改革について、6年度は、第3期働き方改革推進計画を策定するとともに、市内全校において欠席連絡のオンライン化を進め、校務支援システムへの情報連携を可能にする。学校規模に応じて設置するカラー複合機・印刷機および拡大プリンターを市教委が一元的に保守管理する体制を構築する。
【思いやりと豊かな心・健やかな体をもって、多様な人々と共に支え合う人を育てる】
▼健やかな成長を促す取組の推進
不登校児童生徒は、9年連続で増加している。通級生が増加している「ふらっとくらぶ」の指導員を1人増員し、小学生や個別の配慮が必要な子どもにも通いやすい環境となるよう、支援体制を充実させる。不登校の児童生徒が学校復帰へのステップを踏み出すための環境づくりとして、引き続き校内への別室設置を促進するとともに、別室への教育支援員配置を継続する。
いじめ対応や不登校児童生徒への支援について、学校がチームで対応できるようにするため、引き続きスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置し、未然防止と早期発見・早期対応に努める。
中学校においては、専門的な知識や技能を有する外部指導者の派遣・指導によって、きめ細かな指導体制のもと、運動能力の向上、運動習慣の定着に努める。
小学校では、放課後すこやかスポーツ教室などの地域学校協働活動によって、放課後に児童が運動する機会を提供する。
【ふるさとへの愛着をもち、幅広い視野で新しい価値を創造し、活躍する人を育てる】
▼学びを生かす地域社会の実現
「情操教育セカンドプログラム“THE MUSIC”」の実施校を拡大し、ジャズの鑑賞や演奏体験を通して中学生の豊かな創造性や感性を育む。
(市町村 2024-03-04付)
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