上士幌町教委　子の読書アンケート　中学進学で読書率増加　小学校は学年に比例し減少

（市町村 2024-03-15付）

　【帯広発】上士幌町教委は、５年度「子どもの読書推進」に係るアンケート調査の結果をまとめた。一部学年の児童生徒および保護者を対象に、１月中旬から下旬にかけて実施。小学校の学年が上がるにつれ読書率が減少する一方、中学校に進学すると増加する傾向にあった。図書室の蔵書増加を求める声に、町教委は「古書の廃棄や買い替えによって学校図書館の更新を進める」としている。

　町では、３～７年度を「町第２期子どもの読書推進計画」期間とし、計画内の目標となる指標に対する達成度を確認するため、例年アンケート調査を実施している。５年度は、小学２、５年生、中学２年生の児童生徒および保護者、認定こども園保護者から計１９０件の回答を得た。

　本を読む日数（１週間）に関する質問に「あまり読まない」と回答した割合について、小学２年生は２１・４％、５年生は５６・０％、中学２年生は３３・０％となった。特に中学２年生は、全国学校図書館協議会の学校読書調査と比較し２０・０ポイントほど不読率が高い結果となった。

　１週間のうち学校の図書室に行く頻度を「１回以上」と答えた割合は、小学２年生が７３・８％、５年生が３６・０％。「ほとんど行かない」と回答した中学２年生は４５・８％だったが、目標の５０％以下を達成した。

　保護者対象の調査結果をみると、子どもの自主的な読書に関して、小学２年生の約６割が家庭内でも本を読んでいることが分かった。一方で、５年生の約６割が家庭で読書をしていないことが判明。中学２年生は、約７割が自主的に読書をしており、保護者の読書率も中学２年生が最も高かった。

　町立図書館の利用率は、学年が上がるにつれ減少傾向にあるが、親子で来館している低学年児童が一定数いることが分かった。

　記述回答では、小中共に「本をもっと増やしてほしい」との声が多かった。小・中学校図書室の標準冊数は達成しているため、町教委は「今後、古書の廃棄や買い替えによって学校図書館の更新を進め、ニーズに応じた選書、調べ学習等で活用できる図書の充実を目指す」としている。

　保護者からは、町立図書館が行うイベントや展示に好意的な意見が複数上がった。町教委は「地域全体で子どもの読書活動を支え、一人でも多くの子どもが読書に親しむことを期待している」としている。

(市町村 2024-03-15付)