元校長の“学校アップデート!” №4 下学年は上学年にあこがれる(札幌市 2024-04-17付)
№4学校アップデート(あこがれ)
始・終業式や全校朝会の退場の順番は、上学年からですか?それとも下学年からですか?昔、「1年生は、他学年が退場するのを待つのは飽きてしまうから、一番初めに退場させた方が良い」と主張している先生がいました。本当に1年生は待てないのでしょうか?
平岸西小では、上学年から退場していました。司会の先生が「6年生から退場します。全校のお手本となる歩き方をして退場するので、1~5年生の皆さんは6年生の歩き方をしっかり見ていてください」と言います。
始・終業式では、高学年が体育館の後方に並ぶことがありますが、あえて下学年の前を通って退場します。全校朝会では、6年生が体育館入り口から一番離れた奥に並び、1~5年生の前を通って退場します。6年生には、全校のお手本になるだけではなく、卒業式の入退場の歩き方につながるということを意識付けておくことが大切です。6年生のつぎは5年生の退場です。もちろん下学年のお手本です。2年生が退場し終わったあと、「1年生の前を歩く時、すごく緊張した」と言っている子どもがいました。1年生は、2~6年生の歩き方を見ているので、まねして歩こうとします。目的もなく「待つ」のではなく「お手本となる上学年の歩き方を見る」のであれば、1年生は飽きることなく最後まで体育館に残ることができます。
給食の食材を落としてしまい、足りなくなることがあります。「○年○組に△△が残っていたら持ってきてください」と校内放送で全校に伝え、無事食材が集まると「全校の皆さん、ご協力ありがとうございました」という校内放送が、大人の声で流れます。当該学級の子どもが、気持ちを込めてお礼を伝えれば良いのです。「ぼくたちの食べ物を分けてくれて、本当にありがとうございました」という子どもの声が校内放送で流れる方が、子どもの心が伝わります。
平岸西小では、学年持ち回りの1ヵ月交代で「あいさつ運動」を行っていました。6年生からスタートし、一つ下の学年にバトンを渡していき、1年間で2巡します。一つ上の学年の「あいさつ運動」が終わると、つぎに「あいさつ運動」を担当する学年の子どもたちは、校内放送で上学年(6年生のみ1年生)の取組の良さと自分たちの決意を伝えます。「○年生のあいさつは、とても元気いっぱいな声で、学校全体が元気になりました。今度は、わたしたち□年生が、○年生に負けないように頑張ります」。運動会や学習発表会の後片付けをしてくれた学年に対しても、一つ下の学年の子どもたちが代表して、校内放送でお礼を伝えます。
子どもの心がこもった温かいお礼の声が校内に響くことが当たり前になると、子どもから「○年生が全校のためになる取組をしてくれたから、校内放送でお礼を伝えたい」という言葉が生まれ“あこがれ”と“思いやり”があふれる学校づくりにつながります。
北原徹也 (北海道特別活動研究会顧問、元札幌市立平岸西小学校長)
(札幌市 2024-04-17付)
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