札幌市教委　部活動指導員資格要件緩和　地域クラブ指導経験者など可　６年度は８３人程度配置へ

（札幌市 2024-04-16付）

　札幌市教委は、中学校部活動の充実に向けたさらなる人材確保を目指し、部活動指導員の資格要件を緩和した。新たに、地域クラブ等での指導経験者、義務教育修了後３年以上の競技経験がある人を任用可能とした。６年度は増員し、８３人程度を配置する予定だ。

　平成２１年度から、外部顧問（非常勤職員）として運動部活動を対象に配置を開始したもの。令和２年度からは会計年度任用職員の部活動指導員に名称を変え、文化部活動に対象を広げた。

　部活動指導員は部活動の運営を単独で行うことが可能で、学校のニーズに応じて派遣している。

　５年度は６８人を任用し、４６校６８部に配置した。

　市立中学校９６校の部活動設置数１１８９部に対する配置割合は５・７％。また、平均年齢が６２歳に上り、６０～７０代が７割以上を占めている状況から、学校のニーズに合う多様な人材確保、持続可能な体制づくりに向けた若年層の確保などが課題となっていた。

　このため、配置の拡充に向けて資格要件を緩和。

　①学校部活動、地域クラブ等において指導経験のある者②日本スポーツ協会または各競技団体や関係団体等が認定する指導者資格を所有している者③指導予定の部活動の競技経験または活動経験が、義務教育修了後３年以上ある者―のいずれかに該当する者に改めた。「教員免許状を有する者」の要件は削除した。

　６年度は、部活動指導員を１５人程度増員し８３人程度配置。顧問教諭不在時の部活動指導や大会への引率ができる特別外部指導者は、１２人程度増員し３２人程度とする。

　市教委は、今後の部活動の在り方に関する検討を進めつつ、教員の負担軽減や生徒が専門的指導を受けられる機会の充実に向けて部活動指導員の配置を推進する考え。

　併せて、３月から道教委の「ほっかいどう部活動・地域クラブ活動サポーターバンク」と連携。新たに札幌市立学校での指導希望者の登録が可能となった。

　３月１５日現在、７９人が登録。平均年齢は４３・９歳と若年層の登録が見られている。教職経験がない者が半数以上の４９人に上っており、多様な人材確保につながっている。

(札幌市 2024-04-16付)