豊頃町 6年度教育行政執行方針 小中連携教育を推進 大学生と子のコミュ力育成
( 2024-05-07付)

豊頃町中川直幸
中川教育長

 【帯広発】豊頃町教委の中川直幸教育長は6年度教育行政執行方針において、6年度から豊頃小学校および豊頃中学校が併設校舎に移行し、系統性と連続性を持った小中連携教育を一層進めることを示した。また、町と連携協定を締結している東京学芸大学や道教育大学釧路校の学生を引き続き受け入れ、児童生徒のコミュニケーション能力のさらなる育成に努める。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼教育環境の整備充実

 3年がかりで整備を進めてきた豊頃小および豊頃中の併設校舎が完成。渡り廊下でつながっている校舎の利点を最大限に生かし、多様な異学年交流の活発化や、より多くの教員が児童生徒に関わる体制の確保、さらには町内小・中学校3校が義務教育9年間を通した「目指す子ども像」を共有し、系統性と連続性を持った小中連携教育を推進する。

▼学力向上、豊かな心と健やかな体の育成

 毎年度実施される全国学力・学習状況調査の結果を踏まえた上で、学習規律の定着と基礎的・基本的な学習内容の確実な習得に努めるとともに、全児童生徒1人1台のタブレットを活用した学習を積極的に取り入れ、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実し、アクティブ・ラーニングの視点である「主体的・対話的で深い学び」へとつなげる。

 町教育研究所が作成した「家庭学習の手引」を活用し、学習の仕方や学習習慣が身に付くよう、家庭と連携を図りながら学力の定着に取り組む。

 児童生徒の豊かな心と規範意識の育成を目的に行われている道徳の授業において、人を思いやる心や命を大切にする心など、社会性や豊かな人間性を育むために発達の段階に応じた道徳教育を進める。

 郷土に対する誇りと愛着心を育む郷土学習や職業体験、ボランティア活動等を通して様々な人たちと触れ合い、互いに支え合いながら「子ども報徳訓」の実践に努め、自らの生き方を主体的に考え、行動することができる力を育む活動を推進する。

 子どもの体力の向上や運動習慣の改善・定着化、望ましい生活習慣の育成については、日常生活の場である学校、家庭、地域社会が連携して取り組むことが必要となる。体力向上は健康維持のほか、意欲や気力の充実にも大きく関わっており、生涯にわたって心身共に健やかに生きるための基盤となるものであることから、全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果を活用するなど、各学校において、それぞれ発達段階に応じた対策を取り組む。

 休日の学校部活動の地域連携・地域移行が求められている「部活動改革」については、町部活動地域移行検討協議会を中心に協議を行い、地域や保護者、各関係機関との理解と協力を得ながら、スポーツ少年団活動も考慮しつつ、将来にわたり児童生徒がスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことができる機会を確保するための検討を進める。

 特別支援学級の児童生徒には、学級担任のほか特別支援教育支援員を配置し、その他の全教職員も含めた支援体制をつくるとともに、障がいのある子どもと障がいのない子どもが可能な限り共に過ごす条件整備と、一人ひとりの教育的ニーズに応じた合理的な配慮の提供や学びの場の整備など「インクルーシブ教育」の構築を目指す。

 社会や経済のグローバル化が進み、国際的な立場から持続的な発展を生み出す人材が求められる今日、児童生徒の国際感覚を育むため、小・中学校の英語科授業に外国語指導助手を派遣し、授業補助を積極的に実施する。

 本町と連携協定を締結している東京学芸大の学生等の受け入れや道教育大釧路校のへき地校体験実習などを通じて、児童生徒のコミュニケーション能力のさらなる育成に努める。

▼町立学校における教職員の働き方改革推進プラン

 教職員の働き方改革における重点課題の一つである長時間勤務について、ICTを利用した在校等時間の客観的集計とホームページ等による記録公表を行い、保護者や地域住民等の理解と協力を得ながら業務の適正化を図る。

 校務支援システムを活用した業務改善、ストレスチェックによる心身の健康保持など「町立学校における働き方改革推進プラン」に基づく労働環境の整備を進め、教師が本来業務に集中し、学校教育の質の維持向上につながるよう取り組む。

▼健全育成、安全教育の推進

 いじめ防止対策推進法に基づき各学校で策定した基本方針によって、いじめの未然防止、積極的な認知による早期の組織的対応など、防止対策の強化に向けた適切な対応が図られるよう取り組む。

 スマートフォンやSNS等の利用によるトラブルに巻き込まれないよう、教職員によるネットパトロールを実施するほか、情報モラル教育による児童生徒がデジタルリテラシーやサイバーセキュリティーの知識を身に付け、自分で考え行動できる力を育む。

 危険ドラッグ等の薬物乱用防止や性に関する指導の継続についても学校と家庭が連携して適切な対応を図る。

( 2024-05-07付)

その他の記事

広尾町 6年度教育行政執行方針 小・中冷房整備を優先 中学生海外研修派遣を検討

広尾町山岸直宏  【帯広発】広尾町教委の山岸直宏教育長は6年度教育行政執行方針において、学校における暑さ対策として小・中学校のエアコン整備事業に優先的に取り組むことを示した。また、中学生の海外研修派遣事業を...

(2024-07-12)  全て読む

浦幌町 6年度教育行政執行方針 義務教育学校 上浦幌地区に 地域総ぐるみの教育強化

浦幌町水野豊昭  【帯広発】浦幌町教委の水野豊昭教育長は6年度教育行政執行方針において、上浦幌地区の小・中学校を統合した義務教育学校の設置によって、教育環境の向上・充実を図ることを示した。また、学校と地域を...

(2024-04-10)  全て読む

池田町 6年度教育行政執行方針 ICT活用し学び保障 夏季休業日延長を検討

池田町加賀学  【帯広発】池田町教委の加賀学教育長は6年度教育行政執行方針において、授業改善や不登校傾向にある児童生徒への対応等でICTを活用し、学びの保障や質向上に努めることを示した。また、暑さ対策に関...

(2024-04-10)  全て読む