道都市教育長会　春季定期総会　課題解決へ連携・協力　７年度文教施策要望など決定

（関係団体 2024-05-20付）

道都市教育長会春季総会

　【苫小牧発】道都市教育長会（会長・檜田英樹札幌市教委教育長）は１５日、ホテルウィングインターナショナル苫小牧で６年度春季定期総会を開催した。道内３５市の全教育長が参加し、７年度文教施策要望などを決定。檜田会長は猛暑対策やいじめ・不登校への早期対応などを課題に挙げ「各市の連携・協力を一層強め、解決に向け取り組んでいきたい」などと述べた。

　檜田会長は開会あいさつで「かつてない猛暑で子どもが亡くなるなど、子どもの安全確保や健康を守るための冷房設備、長期休業の見直しなどが課題となっている」と指摘。

　札幌市の第２期教育振興基本計画に触れ「子どもの声を大切にする学校・地域を目指す取組を柱としている」「子ども一人ひとりの悩みや困り事にしっかり向き合い、早い段階から対応できるようにするなど、全ての教育活動を貫く重点として子どもの声を聴くということを掲げ取組を進めている」などと説明した。

　都市教育長会の活動については「各市の連携・協力を一層強め、課題を共有し、解決に向け取り組んでいきたい」と述べた。

　続いて開催地を代表し、苫小牧市教委の福原功教育長があいさつ。「市のポテンシャルや可能性を企業見学や職業体験などを通じて感じてもらい、わがまちを好きになってもらうふるさと教育に力を入れている」と説明したほか、人口減少や少子高齢化、いじめ・不登校、部活動の地域移行などの課題を挙げ「全３５市の情報交換・共有は大変意義深い」とし有意義な会となるよう期待した。

　さらに、苫小牧市の岩倉博文市長と胆振教育局の髙橋宏明局長が祝辞。岩倉市長は「知恵を結集し、壁をぶち破りつぎの時代を担う子を育てていく環境整備が求められている」「当市でも子育て世代に優しいまち苫小牧を掲げているが、ヤングケアラー条例の施行など、悩める子をいち早く察知できるようみんなで向き合っていきたい」、髙橋局長は、教育課程の適切な編成や働き方改革の着実な推進、不登校等への早期支援、服務規律の厳正な保持などを求め、特に暑さ対策については「児童生徒の命と健康を守るため極めて重要」として、取組の徹底を訴えた。

　議事に入り、６年度予算、関係団体への役員等の推薦などを決定した。また、７年度道都市教委連の定期総会開催地を稚内市に、７年度道都市教育長会春季定期総会の開催地を三笠市に、同秋季定期総会開催地を江別市に決定。本年度道都市教委連定期総会における事例発表担当を根室市とした。

　さらに、道および道教委の７年度文教施策に関する要望事項について協議。道に対しては、児童相談所の機能強化と体制の充実など６項目を、道教委に対しては６７項目を要望。重点として学校における働き方改革の推進やＧＩＧＡスクール構想の推進に係る支援などを盛り込み、新規に学校給食の無償化に向けた財源措置を重点とした。

　協議では、伊達市などから「部活動の地域移行を進めるためには、かなり強い姿勢で国費の拡大を求める必要がある」といった声が出され、要望については文言修正の上、６月に要望書を提出することとした。

(関係団体 2024-05-20付)