関連単元など校種・学年別に整理　モデルカリキュラム作成　防災教育推進へ札幌市教委

（札幌市 2024-05-23付）

モデルカリキュラムのつくり（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市教委は、防災教育の推進に向けてモデルカリキュラムを作成した。研究開発事業における成果を踏まえ、防災に関連する単元や育成を目指す資質・能力を校種・学年ごとにまとめた。市が作成した防災教育デジタル教材「さっぽろそなえ箱」の活用につながるよう、リンクなども位置付けている。

　平成３０年に発生した北海道胆振東部地震を受け、市教委は各学校における防災教育の一層の充実が喫緊の課題と捉え、令和元年度から市研究開発事業「防災教育の推進」を実施。教材の開発および指導方法の工夫など、実践的な調査研究を進めてきた。

　５年度で最終年度を迎えたことから、研究成果のまとめとしてモデルカリキュラムを作成。広域な札幌市では災害リスクが地域によって異なることを踏まえ、各学校においてどのような災害が起こり得るか事前に想定し「子どもが自らの命を守る」防災教育を進めてもらうことを目指した。

　①札幌市・北海道の過去の災害との関連付け②資質・能力による整理および各種マークやアイコンでの視覚化③札幌市のこれまでの資料やホームページの有効活用―の３点を意識し、カリキュラム・マネジメントの視点で効果的な学習を展開できるよう工夫した。

　各校種における防災教育の目標（資質・能力）を観点別に新たに整理し、防災に関連する教科・単元と、育成を目指す資質・能力を可視化。

　例えば、小学４年国語「もしものときにそなえよう」では、自然災害について調べたことをもとに「自分の考えを書き、読み合い、文章に対する感想や意見を伝え合おうとする」ことを目標に示している。

　このほか、小・中学校全学年と特別支援学校のカリキュラムには、トピックとして朝の会で「熱中症対策について知ろう」と題した活動を位置付けている。

　また、５年度に市危機管理局が作成した防災教育デジタル教材「さっぽろそなえ箱」の活用につながるよう、一部の単元には教材にリンクしたアイコンを記載している。

　市教委は、モデルカリキュラムを参考に、学校安全計画などの諸計画を見直すとともに、教育活動全体を通して、児童生徒の防災に係る資質・能力を育む防災教育を推進するよう呼びかけている。

(札幌市 2024-05-23付)