根室市教委の教育行政執行方針―寺脇教育長説明　学習サポートで新たに宿泊学習導入　望ましい体育館の在り方議論

（市町村 2016-03-10付）

根室市教委・寺脇文康教育長

　【根室発】根室市教委の寺脇文康教育長＝写真＝は、一日に開会した市議会三月定例月議会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。夏季休業期間中に大学生を活用して行う学習サポート事業に、新たに宿泊学習を導入する意向を表明。また、歯舞中学校校舎・屋内運動場の耐震改修工事や落石中学校グラウンドの改修工事といった施設整備を進めるほか、総合体育館の建設に向けて新たな基金を創設して、望ましい体育館の在り方について論議を深めていく方針も示した。

　執行方針の主な内容はつぎのとおり。

▼確かな学力向上に向けた取組の推進

　全国学力・学習状況調査や、学習内容の定着状況を把握するため、全小・中学校で導入している標準学力検査、いわゆるＣＲＴなど、学力にかかわる各種調査の結果を詳細に分析し、個々の児童・生徒の課題を明確化する。また、子どもたちの家庭での学習習慣や規則正しい生活習慣を定着化させるため、「生活リズムチェックシート」の活用に引き続き取り組むなど、家庭とのさらなる連携に努める。

　夏季休業期間中に実施する大学生を活用した学習サポート事業に新たに宿泊学習を導入し、参加者の増を図りながら、確かな学力向上につなげていく。

▼豊かな人間性の育成に向けた取組の推進

　郷土を愛し、発展させていこうとする気持ちを育むため、二十九年ぶりに改訂した社会科副読本「ねむろ」や、各種教材の活用を図る。特に、北方領土教育については、各学校において資料コーナー等を活用するなど、返還要求運動原点の地としての積極的な取組を継続する。

▼特別支援教育の充実

　現在、市独自の個別の教育支援計画の基本ツールとなる子育てファイル「りんくす・ねむろ」を乳幼児から中学生までの子をもつ全家庭に配布している。今後、対象となる子どもをもつ保護者を中心に全市的な普及促進に努めるとともに、保育所、幼稚園、学校など関係機関と連携を図り、子どもたち一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援を行う。

▼教育効果を高める教育環境の整備・充実

　小・中学校の適正配置については、昨年実施したアンケート調査結果を勘案しながら、このたび「市立小中学校の適正規模および適正配置に関する基本方針」を一部改定するとともに、新たに「市立小中学校適正配置計画」を策定した。

　今後、学校、保護者、地域の方々に対する丁寧な説明に心がけ、理解を得るよう努めながら、計画の推進を図る。

　学校施設の耐震化・老朽化対策として、歯舞中学校校舎・屋内運動場の耐震改修工事や、落石中学校グラウンドの改修工事を実施するとともに、厚床小学校外構工事および厚床中学校グラウンド改修工事を実施する。

▼地域で子どもを育てる環境づくりの充実

　これからの地域活動や、まちづくりに参画する青少年活動リーダーの養成を目指す「市中高生友好のかけはし事業」については、研修内容に新たに市の特産品流通部門を加えるなど、内容充実の上で引き続き富山県黒部市を研修地として実施する。

　子どもたちの読書活動の推進については、家族みんなで本を読み、コミュニケーションを図る新たな読書スタイル「家読（うちどく）」の普及に努め、また、図書館が学校に出向いて本の紹介や読み聞かせを行うなど、家庭、学校、地域と連携・協働しながら、子どもたちの読書環境づくりに努める。

▼歴史・文化・スポーツ振興と社会教育活動の充実

本年は、黒部市との姉妹都市提携四十周年を迎えることから、両市の市民による記念コンサートを当市において開催する文化交流活動を支援する。

　博物館拠点施設の在り方等について検討を進めるほか、総合体育館の建設に向けて新たな基金を創設し、望ましい体育館の在り方について論議を深めていく。

(市町村 2016-03-10付)