室蘭市教委の教育行政執行方針―山田教育長説明　学力向上へ研究校指定　室蘭西中校区でＣＳモデル導入

（市町村 2016-03-10付）

室蘭市教委・山田進教育長

　【室蘭発】室蘭市教委の山田進教育長＝写真＝は、二月二十六日に開会した第一回市議会定例会で二十八年度教育行政方針を説明した。学力の向上については、先進的な指導法の研究実践を行う研究奨励校を指定するほか、教育研究所と学校の連携による言語活動の充実やＩＣＴの活用推進、グローバル化に対応するため英語教育に関する調査研究等を実施。また、今後の学校統合の推移を見据え、室蘭西中学校区をモデル地区としたコミュニティ・スクール（ＣＳ）導入事業を進めていく考えを示した。

　教育行政方針の概要はつぎのとおり。

▼子どもたちの「生きる力」を育成する

「確かな学力」の向上については、学校・家庭・地域との密接な連携のもと、「第二期市学力向上基本計画」に基づく取組を推進し、教育水準の維持向上に努めていく。

　具体的な取組としては、先進的な指導法の研究実践を行う研究奨励校の指定のほか、教育研究所と学校との連携による言語活動の充実やＩＣＴの活用の推進、グローバル化に対応するための英語教育にかかわる調査研究等を実施するとともに、学校訪問等を通じて授業改善を進めていく。

　さらに、小・中学校間の連携を図った効果的な取組の推進や主体的・協働的な学びであるアクティブ・ラーニング等についての助言・指導の充実、家庭における望ましい生活リズムや学習習慣の定着を図る取組の強化を図りながら、確かな学力の向上に取り組んでいく。

　「豊かな心」の育成については、すべての教育活動を通じて、生命尊重や思いやりの心、規範意識などの「豊かな心」を育む道徳教育の充実を図るとともに、地域の特性を生かした自然体験や社会体験などの「豊かな体験活動」を通じて内面に根ざした道徳性の育成に努めていく。

　また、道徳授業の教科化への移行をスムーズに進めていくための教員研修を実施するほか、ネットトラブルの未然防止を図るための情報モラル教育の充実に努めていく。

　いじめ問題については、二十六年度に策定した「室蘭市いじめ防止基本方針」に基づき、学校・家庭・地域・関係機関との連携を一層深めながら「いじめ問題」の未然防止や早期発見、早期対応の取組を強化していく。

　また、いじめのない学校づくりに向け、日ごろからの児童生徒理解に努めるとともに、子どもたちの主体性を生かした「むろらん子どもサミット」を引き続き開催する。

　「体力・運動能力」の向上については、昨年策定した「市児童生徒の体力向上プラン」に基づく取組を継続し、教員研修や各校における「一校一実践」などの体力向上の取組の充実を図るとともに、学校・家庭・地域との連携を深めながら、子どもたちの運動習慣の定着に努めていく。

　特色ある教育活動については、世界に通じる子どもたちの育成事業として、小学生を対象とした「出前講座」や中学生を対象とした「むろらんイングリッシュ・デイ」を開催するとともに、外国語指導助手の活用や室蘭工業大学国際交流センター、市長部局との連携を深めながら国際理解教育の充実に努めていく。

▼信頼される学校づくりの推進

　今後の学校統合の推移を見据え、室蘭西中学校区をモデル地区としたＣＳ導入事業を実施し、地域と一体となって子どもたちを育む「地域とともにある学校」に関する調査研究を進めていく。

▼子どもたちが安全・安心に学べる教育環境の整備

　学習環境の整備については、二十八年四月に蘭北小学校が開校するほか、三十年四月開校予定の陣屋・本室蘭・白鳥台小学校の統合校となる白蘭小学校の校舎棟および体育館棟の建設に着手する。

　また、三十二年四月開校予定の高砂・水元小学校の統合にかかわって、基本設計や測量調査の着手と統合推進協議会の設置を行うほか、知利別小学校を旭ヶ丘小学校への統合に向けての準備を進めていく。

▼人とまちが生きる生涯学習の推進

　「社会教育振興計画」に基づき、本市のもつ地域特性を生かしつつ、市民一人ひとりが生涯にわたって学び、豊かな人生を送りながら、その成果を還元できる社会の実現を目指し、地域の活力と教育力を向上させていく環境づくりや施策を総合的に推進する。

(市町村 2016-03-10付)