札幌市議会予算特別委ダイジェスト(28年3月14日) 教員採用2段階登録制度導入へ 性教育の手引き改訂も―札幌市教委
(市町村 2016-03-16付)

 札幌市議会第一部予算特別委員会が十四日、第一特別委員会会議室で開かれた。長谷川衛委員(民主党・市民連合)や岩崎道郎委員(同)、村山拓司委員(自民党)らが登壇し、「正規教員の採用検査」「性に関する指導」「進路指導」等について質疑。檜田英樹教職員担当部長や引地秀美学校教育部長らが答弁した。

◆4月1日以降採用登録者Bを設置

 教員採用検査の合格者を増やした背景について檜田教職員担当部長は「学校現場において複雑化・多様化する諸課題に柔軟に対応するため、できるだけ正規教員を採用したいと考え、採用計画における推計を見直し、合格者数を増やした」と述べた。長谷川委員の質問に対する答弁。

 檜田部長は、正規教員の登録制度の見直しについて、来年度実施の教員採用検査で二段階の登録制度を開始する方針を示した。「四月一日付で採用する従来の登録者Aのほか、四月一日以降の採用とする登録者Bを新たに設置する。新たな登録制度でこれまで以上に正規教員の採用に努めたい」と述べた。

◆中高生の読書活動推進へ取組強化

 中学生・高校生向けの読書活動の取組として千葉真中央図書館長は「イベント情報の発信や利用者相互の本紹介など、コミュニケーションの場としてティーンズの森を三月末にオープンする」と話した。岩崎委員の質問に対する答弁。

◆性に関する指導で新たな手引き活用

 引地学校教育部長は、性に関する指導について、「市教委が作成した『性教育の手引き』をもとに、各学校が年間指導計画を作成し、保健の授業のほか、外部講師を招いた授業を実施している」と述べた。岩崎委員の質問に対する答弁。

 また、児童生徒を取り巻く環境が変化する中で、『性教育の手引き』を改訂。四月から手引きを活用した指導を呼びかける方針を示し、「発達段階に応じた指導例のほか、障がいのある子どもの指導では障がいの特性や状態に応じた事例を提示する」と話した。

◆SSW活用し地域との連携強化

 子どもの貧困対策について、松田昌樹児童生徒担当部長は「学校は子どもの様子の変化から家庭の悩みや不安に気づき、早期の段階で福祉関係につなぐ役割を担っている。子どもを取り巻く環境を改善できるよう、スクールソーシャルワーカー(=SSW)の活用を各学校に働きかけたい」と述べた。岩崎委員の質問に対する答弁。

 また、SSWを活用した学校と地域の連携強化について、「SSWは、学校と関係機関がスムーズな連携を図るための役割が期待されている。その専門性や役割を関係機関によって一層周知し、支援会議等に派遣するなど学校と地域が緊密に連携できるよう努めていく」と話した。

◆中学生の進路指導発達に応じて実施

 進路指導について引地学校教育部長は「各学校は、生徒が将来の進路に関心をもち、目的をもつよう、中学一年生から発達の段階に応じた指導を実施している。中学三年生からは三者懇談を行うなど、適切な指導に努めている」と述べた。村山委員の質問に対する答弁。

 また、進路指導における市教委の取組では、「『進路指導の手引き』発行のほか、各校の進路担当教員と連携しながら、情報交流や研修の場を作っている」と強調した。

◆がん教育推進で出前授業を展開

 がん教育について、引地学校教育部長は「がんについて正しく理解し、自他の健康と命の大切さを主体的に考えるなどがん教育を充実させることが重要」と認識を示した。好井七海委員(公明党)の質問に対する答弁。

 また、今後のがん教育の推進について、「がん教育モデル校の実践を踏まえ、今後教員研修など、他の学校に取組を広めるほか、がんの予防に関する出前授業を実施していく」と話した。

◆公立夜間中学設置に向け検討

 引地学校教育部長は、公立夜間中学校の設置について、「幅広いニーズに対応するため、習熟度別のクラス編成や複数教員による指導体制の構築といった様々な課題があり、時間をかけて検討していく必要がある」と認識を示した。小竹ともこ委員(自民党)の質問に対する答弁。

 また、早期設置に向け、「教育課程の編成等で特例を設ける法令整備や財源について、道教委と連携しながら、文部科学省に要望していきたい」と話した。

(市町村 2016-03-16付)

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