函館市教委の教育行政執行方針―山本教育長説明　算数科充実へ非常勤講師

（市町村 2017-02-28付）

函館市教委・山本真也教育長

　【函館発】函館市教委の山本真也教育長は、二十三日に行われた定例市議会で、二十九年度教育行政執行方針を表明した。学校教育では、「〝生きる力〟を育む学校教育の推進」を重点目標に掲げた。三十年度から実施する「函館市教育振興基本計画」の策定作業の継続や次期学習指導要領の対応に向けた、アクティブ・ラーニングの活動推進、コミュニティ・スクールの全市本格導入に向けた取組などを進めていく。小学校においては、新たに算数科の小人数指導充実のための非常勤講師を配置し、より質の高い授業を目指していく考えを表明した。

　執行方針のうち、学校教育の概要はつぎのとおり。

▼「子どもの〝生きる力〟を育む学校教育の推進」

　信頼される学校づくりに向けて、地域住民と協働しながら子どもの豊かな成長を支え、地域とともにある学校づくりを進めるコミュニティ・スクールの全市本格導入に向けた取組を推進していく。

　さらに、特別支援教育支援員や小学校外国語活動サポーター、中学校の部活動指導員など、引き続き、地域人材の活用に努めていく。

　学力向上については、アフタースクールの拡充を図るとともに、次期学習指導要領において導入されるアクティブ・ラーニングの実践が、各学校にさらに広く浸透するよう推進していく。

また、中学校においては、引き続き、免許外指導の改善を図るための非常勤講師を配置するとともに、小学校において、新たに算数科の少人数指導充実のための非常勤講師を配置することで、より質の高い授業を目指していく。

　豊かな心の育成については、子どもの望ましい人格形成のために、組織的な生徒指導体制の充実を図るほか、規範意識や自尊感情、他社への思いやりなどを培うことができるよう、道徳教育の充実を図るとともに、指導資料の活用や研修などにより、支持的風土のある学級づくりの実現に向けた取り組みを進めていく。

　いじめ問題については、「函館市いじめ防止基本方針」に基づき、学校や家庭、地域社会、関係機関と緊密に連携しながら、未然防止と早期発見および迅速な対応を図っていく。

　健やかな体の育成については、子どもの生活習慣にかかる課題解決に向けて、ＰＴＡや関係団体などと連携した取り組みを推進するとともに、体育の授業や校内での運動環境づくりの工夫など、日常的な運動習慣の形成に努めていく。

　南北海道教育センターにおいては、学習指導や生徒指導に関する研修の充実のほか、次期学習指導要領の実施を見据え、教職員の資質・能力の一層の向上を目指し、今日的教育課題に対応した研修を実施するほか、研究員による実践的な教育研究を推進していく。

　特別支援教育については、複雑化・多様化する子どもや保護者のニーズに対応するため、特別支援教育巡回指導員や特別支援教育支援員を効果的に活用するとともに、サポートチームの派遣による各学校への助言などの支援の充実に努めていく。

　さらに、発達に関する問題や不登校などにも適切に対応するため、保護者や子どもの心に寄り添った教育相談の一層の充実を図るとともに、適応指導教室などを通して、基礎学力の定着や情緒の安定を図る支援を推進していく。

　国際理解教育については、「中学生海外派遣事業」において、姉妹都市提携二十周年記念事業としてユジノサハリンスク市への派遣を行うほか、高校生の海外留学事業を実施する。

　市立函館高校については、進学重視型単位制高校として、一人ひとりの進路実現を目指す、キャリア教育を含む教育活動のさらなる充実を図るとともに、地域探究型学習「函館学」を推進するなど、創意ある教育課程を編成し、魅力ある高校づくりを進めていく。　

(市町村 2017-02-28付)