札幌市教委がフォーラム開催　人権教育充実へ研鑚深める　講演、グループワーク実施

（市町村 2017-03-01付）

５０人が参加し、人権教育の推進に向けて意見を交換した

　札幌市教委は二月二十七日、市内ちえりあで人権教育フォーラムを開催した。関係者約五十人が参加。人権教育の充実に向けて講演やグループワークを実施した。

　二十三年度から進めている人権教育推進事業では、「人間尊重の教育」について、子どもにとってより実感の伴う学習活動の在り方などを研究。本年度は①学校にアイヌ民族の方を招いて行う体験的学習②サッポロピリカコタンの活用③子どもの権利にかかわる学習活動④男女平等教育⑤人権教育を基盤とした学校づくり等―の五課題を設定。十八校を研究推進校に指定している。

　はじめに長谷川正人教育課程担当課長があいさつ。同フォーラムの概要にふれ、「人権教育についてあらためて考えを深める場としてほしい」と呼びかけた。

　このあと、講演会を実施。四人の有識者がそれぞれの立場から講演した。このうち、札幌市アイヌ協会副会長の多原良子氏は「アイヌ女性の複合差別問題に取り組んで」と題して説明。民族としての差別のほか、同じ民族の男性から差別を受けている現状を紹介したほか、問題解決に向けて実態調査など取り組んできた成果を報告した。

　また、札幌市子どもの権利推進アドバイザーの薄木宏一氏は、子どもの権利救済機関の相談内容から子どもと大人の認識の違いを説明。また、相談事例から外部機関と連携した取組の重要性を語った。

　グループワークでは、研究推進校が実践内容を報告。また、「校種間の連携による連続性のある人権尊重の教育の推進」「教師自らの人権尊重の意識の向上」「子ども自身が自分を振り返り、人権尊重の意識の高まりに気づく手立ての構築」―の三つの課題について意見を交流した。

(市町村 2017-03-01付)