道高校水産教育研究会が研究大会 人材育成の取組推進を 各校の取組、指導方法共有
(関係団体 2017-06-16付)

道高等学水産教育研究大会
小樽水産高、厚岸翔洋高、函館水産高の教職員約40人が参加した

 【函館発】道高校水産教育研究会(木村司会長)は七日、北斗市の七重浜住民センターで二十九年度教育研究大会を開いた。八月に千葉県で行われる全国大会の選考会も兼ねている同大会には、小樽水産高校、厚岸翔洋高校、函館水産高校の教職員約四十人が参加。各校の取組や指導方法に関する発表や専門部会での協議などを通して、水産教育の充実に向け、研鑚を深めた。

 開会式では、木村会長があいさつ。八月に千葉で行われる全国大会への参加にふれた上で「情報収集を図るとともに、時代に応じて変化する水産学への対応をしっかりと進めてほしい」と呼びかけた。また、本道の基幹産業でもある水産業の発展に向けて、人材育成の取組推進を強く要請した。

 続いて、来賓あいさつに、渡島教育局の河原範毅局長が登壇。「本道の水産業の未来も明るい要素ばかりではない。日本の漁業や水産業を支える人材育成に向けて、努力を継続してほしい」と求めた。

 研究協議では、研究主題「新しい時代をリードする、創造的な水産・海洋教育はどのようにあればよいか」を主題に、二つの分科会を実施。第一分科会では「時代に対応した水産・海洋教育における安全教育はいかにあるべきか」、第二分科会では「地域の水産業発展に貢献する人材を育成するための、実践的な水産・海洋教育はいかにあるべきか」をテーマに発表を行った。

 このうち、第一分科会で発表した函館水産高の村岡潤教諭は、同校の安全教育や防災教育の取組などを紹介した。地震や津波を想定した避難訓練のほか、本年度から消火器での消火訓練を行うことで「現場での対応力育成」を図っていくと説明。そのほか、危険を伴う専門授業の前には、オリエンテーションで作業上の注意喚起を徹底するなど、安全第一の意識を重視した授業づくりを進めていることにふれ「生徒の危険予測・察知能力の向上も図っていく」と話した。

 専門部会では、海洋工学系学科、水産食品系学科、潜水系学科の三部門で部会を実施。主題「水産工学系学科において、主機および補機の構造の理解について、具体的な取組はいかにあればよいか」「受験生や保護者、地域に対して農業食品系や家庭調理系との差別化を図り、水産食品系を魅力あるものにするための具体的な取組や戦略的取組はどのようにあればよいか」「ダイビングの指導に当たって、安全指導や安全管理を行い、環境保全に十分配慮するためにはどうすればよいか」に沿って、発表・協議した。

 閉会式では、函館水産高の野呂俊夫校長が全国大会の出場者を発表。分科会からは、函館水産高の村岡潤教諭と厚岸翔洋高の島田直教諭の二人。専門部会からは、函館水産高の中野隆行教諭、小樽水産高の梅崎真大教諭の合わせて四人が八月の全国大会へ出場する。

(関係団体 2017-06-16付)

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