小樽市望洋台小の北方領土学習―道指定事業 領土問題への理解深める 元島民が島の暮らしを解説(学校 2017-09-21付)
領土問題の歴史的背景や、島の地理的特色も学んだ
【小樽発】小樽市立望洋台小学校(木村俊夫校長)は十五日、北方領土学習を実施した。五年生の児童五十一人が参加。国後島の元島民である千島歯舞諸島居住者連盟の野口繁正理事が、島の特色や暮らしていたころの様子について語った。
同校は、昨年度から引き続き、道が進める「後継者育成ステップアップ事業」の実施校の指定を受けており、北方領土についての理解を深めるため、今回の学習を行った。
講師を務めた野口理事は、国後島で三歳まで過ごし終戦を迎えた。終戦後、ソ連軍が侵攻する国後島から船で脱出。七十歳まで羅臼町で、以降は札幌市に在住し、北方領土の返還を求めて活動してきた。
野口さんははじめに、国後島での生活について紹介した。そのあと、国後島が日本領になった歴史的背景や、地理的特色について説明し「歴史的にみても地理学的にみても北方領土は日本の領土」と日本が主張する正当性を解説。最後に、元島民の平均年齢が八十五歳以上となっている現状を説明した上で「雪まつりの会場などで署名活動などを行っているので、家族の人と一緒に住所や名前を記入して協力してほしい」とし、若い世代が継続して活動するよう呼びかけた。
野口さんの説明を受けた児童たちは「ロシアの主張も分かるが、条約などで定められた日本のものだと再認識した」などと話した。
同校では、今回の学習で学んだことを踏まえて、道が主催している「北方領土の日ポスターコンテスト」に、児童が描いたポスターを出展する予定。
(学校 2017-09-21付)
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