標津町内建設業者が創業６５周年記念し町内４校吹奏楽部がコンサート　深みある音色響かせ　供用前の肥培かんがい施設会場に

（学校 2018-10-25付）

　【根室発】標津町立標津小学校（飯田輝雄校長）など四校の吹奏楽部は二十日、町内のライズフォルム農場で開かれた「ファーム　コラボ　ミュージック　コンサート」に出演した。地元で建設業を営む(株)上田組（上田光夫社長）が創業六十五周年を記念して企画したもので、地域のために貢献したいと施工した肥培かんがい施設の大水槽で開催。小・中・高校の吹奏楽部が演奏を披露し、来場した地域住民など約百五十人を楽しませた。

　農業土木工事に携わる上田組は、家畜ふん尿を良質な有機質肥料（スラリー）として利用するための肥培かんがい施設を根室管内各地で施工。ふん尿を貯留する円形の大水槽の中が音を反響することに気付き「コンサート会場に良いのではないか」と考え、会社の創業六十五周年を記念したコンサートを企画した。

　会場は、来年三月二十二日までの工期で、複数社が施工中の標津町古多糠地区のライズフォルム農場発注の施設。

　当日は冒頭、上田社長があいさつ。酪農業で重要な役割を担う肥培かんがい事業について一般の人々に知ってもらいたいと伝え、「円形のコンクリート構造物の中で響きわたる素晴らしい音色に耳を澄まして楽しいひとときを過ごして」と呼びかけた。

　このあと、標津小、標津中学校（粥川敏宏校長）、川北中学校（岩﨑摂也校長）、標津高校（中川雅司校長）の吹奏楽部が順番に演奏。標津小吹奏楽部二十一人は、フルート、クラリネット、サックス、ホルン、トランペットなどで唱歌「ふるさと」、中島みゆきさんの「糸」など三曲を披露した。来場者は低音に深みのある屋外とは思えない音色に聞き入っていた。

　標津中吹奏楽部でフルートを担当した松崎莉里香さん（一年）は「大きな施設でびっくりした。酪農でこういう施設が必要だとは知らなかったので勉強になった。フルートはボリュームの弱い楽器だけれど屋外なのに響きが良く、マイクなしでパフォーマンスできたところが良かった」と笑顔をみせていた。

　上田組の遠藤直人営業部長は「ふん尿の投入前のこの時期に施設を活用して開くことができて良かった。直径三十七㍍、深さ五㍍の中では音が響き過ぎるため、演奏者の後ろに布を貼って音の反射を調整した。おそらく日本初の取組」と話し、地域に貢献する企業として歩み続ける考えを示した。

(学校 2018-10-25付)