幕別町教委が３１年度から　全小中で一貫教育導入　まくべつ学園など５園

（市町村 2019-02-19付）

　【帯広発】幕別町教委は、三十一年度から町内すべての小・中学校で小中一貫教育を実施する。小中連携モデル校での実践研究の成果を踏まえ、エリア別にまくべつ学園など五学園で全面実施し、義務教育九年間を見通した教育活動の充実を図る考えだ。

　町教委は二十九年度、小中一貫教育等推進構想を策定。①義務教育九年間を見通した教育活動の創造②未来社会に「自立と共生」の力をもって生き抜く子どもの育成③学校・家庭・地域が一体となった教育の創造―の三つの柱を掲げて委員による道内外の視察研修などを行い、小中一貫教育実施に向けた調査・研究を進めてきた。

　三十年度には、幕別小学校と幕別中学校からなる「幕別中エリア」と、白人小学校、札内北小学校、札内東中学校からなる「札内東中エリア」を小中連携モデル校に指定し、具体的な実践を推進。昨年十一月、札内東中に沼田町教委職員を招き開いた小中一貫教育講演会には、教職員や保護者など約二百五十人が参加した。

　モデル校における取組の成果は、学園通信の発行や学園掲示板の設置によって小・中学校間で共通理解を図った。中学校への乗り入れ授業では、小学生が五十分授業を体験し、指導方法の連携を図り、小学校と中学校で交流を深めた。

　新年度には、町内のすべての中学校区で小中一貫教育を実施。まくべつ学園（幕別小、幕別中）、さつない学園（札内南小学校、途別小学校、古舞小学校、札内中学校）、糠内学園（糠内小学校、明倫小学校、糠内中学校）、札内東学園（白人小、札内北小、札内東中）、ちゅうるい学園（忠類小学校、忠類中学校）でそれぞれ構想をつくり、小中一貫教育をスタートする。

　まくべつ学園のみ隣接型一貫校で、ほかの四エリアは分離型一貫校とする。

　小中一貫教育の目標を実現するため、小・中学校の教員が協力して推進することが必要なことを踏まえ、学園推進事務局では、各学園合同研修会や学園内の授業公開を行う。

　小中一貫教育実施後は、推進構想の柱の一つ「学校・家庭・地域が一体となった教育の創造」を目指して、コミュニティ・スクール（ＣＳ）の導入を計画。学校運営協議会を基盤に地域ぐるみで子どもの学びを支える仕組みづくりを行うとともに、幼・小・中・高校の教育活動と地域・家庭の連携を目指す。

(市町村 2019-02-19付)