湧別町31年度教育行政執行方針 学校配置の在り方検討 オール湧別方式で部活動(市町村 2019-03-14付)
湧別町教委・阿部勉教育長
【網走発】湧別町教委の阿部勉教育長は三十一年度教育行政執行方針で、将来の学校配置の在り方について検討を進める考えを表明。湧別小学校については、小中連携教育を基本とした施設整備を検討するとした。また、合同部活動を可能とする「オール湧別方式」を導入し、運動部活動の環境整備を図る方針を示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼地域に期待、信頼される学校づくり
教員は、豊かな人間性や社会性、そして高い指導力などの資質・能力が求められていることから、分かる授業の実践を基盤とした校内研修の充実はもとより、各種研修会や研究会などへの参加を促進し、指導力の向上を図る。
学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」にのっとり、町立学校における働き方改革を進めるための計画等の作成に努める。
三十年四月、本町で初となる義務教育学校の芭露学園が開設された。
今後は、義務教育学校導入による児童生徒の学習内容や学校生活、前期課程と後期課程の教職員の意識面の変化等について効果の検証を行い、湧別町が目指す小中連携教育の取組に反映していく。
学校配置については、三十一年度から将来の学校配置の在り方について検討を進めることとし、特に老朽化が進む湧別小学校については、今後の児童数の推移をみながら小中連携教育を基本とした施設整備について検討を進める。
▼学校教育における学力向上への取組
学校との連携によって児童生徒の現状と課題を詳細に分析するとともに、各学校の取組を情報共有する体制をつくり、町全体の学力向上を図る。
また、社会科副読本「ゆうべつ」について、2020年度から小学校の学習指導要領が改訂となることに伴い、新しい学習指導要領に沿った副読本とするため、内容を見直し新たに作成を進める。
▼豊かな心と健やかな体の育成
少子化による生徒数の減少によって、学校単位での部活動運営が困難な状況が生じていることから、「オール湧別方式」(学校間連携方式)を導入して、運動部活動の環境整備を図る。
この方式は、単一の学校では特定競技の運動部を設けることができない場合の生徒が、他校に設置された運動部の活動に参加できる「合同部活動」を可能とするもの。文化部活動についても、生徒の文化活動の機会が損なわれないよう、この方式の導入を検討する。
▼特別支援教育
通常学級に在籍し特別な支援を必要とする児童の学習や学校生活を支援する特別支援教育支援員については、担任と連携しながら個々の児童に応じた支援体制の充実を図る。
さらに、湧別小学校では三十年度から通級指導教室を実施しているが、三十一年度は湧別小に特別支援教育のセンター的機能を持たせ、湧別小以外の学校に出向き指導を行い、特別支援教育の質の向上を図る。
▼中高一貫教育の充実
中高一貫教育の理念である「地域の子どもは地域で育てる」のもと、中学校二校と義務教育学校そして湧別高校、さらには地域が一体となって、より一層の充実と発展を期すことができるよう支援する。
▼湧別高校への支援
三十一年度も存続対策事業として、引き続き各種助成事業による支援を行うとともに、遠方から通学する生徒の経済的負担をさらに軽減するため、新年度入学生から三万円を限度に通学費の全額補助を行い、生徒数の確保に繋げていく。併せて、少人数ながらも活躍している部活動が各種大会に参加するのに必要な貸切バス等の費用についても新たに支援する。
▼国際理解教育の推進
外国語指導助手については、カナダとニュージーランドから三人を雇用して、町内の小・中学校および義務教育学校ならびに湧別高校に派遣し、生きた英語を学ぶ授業をサポートするとともに、町内における国際理解教育の推進に努める。
▼学校運営協議会の設置
現在、町立小・中学校および義務教育学校五校を指定校として学校運営協議会(コミュニティ・スクール)を設置しており、三十一年は残す二校に協議会を設置し、地域住民が学校の諸活動により一層活発に参画するための支援の充実を図る。
なお、町内すべての学校に協議会が設置されることから、地域全体で未来を担う子どもたちの成長を支える仕組みを構築し、横断的ネットワークによる連携・情報共有に努める。
▼社会教育の振興
子育ての悩みや不安を抱えたまま保護者が孤立してしまうことのないよう、新たに教育、子育て、保健福祉担当者による「家庭教育」にかかる庁舎内組織を発足させ、情報の提供や共有、研修会の開催など、家庭での教育に対する横断的な支援体制を整備する。
(市町村 2019-03-14付)
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