名寄市３１年度教育行政執行方針　すべての学校をＣＳに　特別支援教育で市立大と連携

（市町村 2019-03-19付）

名寄市教委・小野浩一教育長

　【旭川発】名寄市教委の小野浩一教育長は三十一年度教育行政執行方針において、特別支援教育学習支援員を増員することをはじめ、名寄市立大学との連携によるティーチング・アシスタント事業の有効な活用、特別支援教育専門家チームによる巡回教育相談の充実を図ることを説明した。また、市内すべての学校をコミュニティ・スクールにする取組を促進させるなどの方針を示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育】

▼確かな学力を育てる教育の推進

　三年目となる第二次市教育改善プロジェクト委員会の取組をより一層充実する。

　具体的には、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた日常の授業改善を重視するとともに、思考力・判断力・表現力の育成に資する書く活動や家庭学習の充実、ＩＣＴ機器の効果的な活用などを図る。

　また、児童生徒の主体的に学習に取り組む態度を育むため、天文台や北国博物館などの本市の教育資源や、名寄市立大の学生支援員などの積極的な活用に努める。

　道教委の学校力向上に関する総合実践事業では、名寄小学校・名寄南小学校・名寄東小学校・名寄西小学校・風連中央小学校の五つの小学校および名寄中学校・名寄東中学校の二つの中学校の七校を実践指定校として、市内の小・中学校が連携して、基礎学力を保障する取組や本事業のアドバイザーによる教育講演会の実施、他地区の実践指定校の視察などに努める。

▼豊かな心と健やかな体を育てる教育の推進

　地域の先人や文化などを教材として開発した木原天文台を建設した故木原秀雄氏の生き方を題材とした道徳科の読み物資料の改良を図ったり、市民文化センターＥＮ―ＲＡＹホールなどの施設を積極的に活用したりして、児童生徒の豊かな情操を養うよう努める。

　読書活動では、すべての小学校に配置している学校司書を活用して、蔵書の配置を工夫したり、本への興味・関心を高める環境を整備したりして、児童生徒の豊かな感性や創造性を高める。

　教育相談センターの教育推進アドバイザー、教育専門指導員等との連携に努めるとともに、中学校に配置している心の教室相談員による教育相談については、必要に応じて小学校でも実施する。

▼特別支援教育の推進

　特別支援教育学習支援員を増員するとともに、名寄市立大との連携によるティーチング・アシスタント事業の有効な活用や特別支援教育専門家チームによる巡回教育相談の充実に努める。

▼社会の変化に対応する力を育てる教育の推進

　すべての小学校において必修化されるプログラミング教育の円滑な実施に向けた準備を、学習指導の側面とＩＣＴ環境整備の側面との両面から計画的に進める。

▼信頼される学校づくりの推進

　コミュニティ・スクールについては、現在、未設置の名寄西小への学校運営協議会の設置、名寄小と名寄東中、名寄南小と名寄中、風連中央小と風連中学校において小中合同の学校運営協議会を設置し、市内すべての学校をコミュニティ・スクールとする取組を進める。

　学校における働き方改革の推進に向けては、策定を進めている名寄版アクション・プランに基づき、学校内での業務改善の意識改革と体制づくりを進める。

▼安全・安心な教育環境の整備

　三十年十月に設置した市通学路安全推進会議では、通学路の安全を確保するための課題とその解決に向け、関係機関と連携し継続的に安全点検や安全対策に努める。

▼高校教育の充実

　市内各高校と連携を図り、生徒の資格取得に対する意識の高揚と魅力ある学校づくりを支援するため、二十九年度から市高校生資格取得支援事業を創設し、活用しているが、今後も多くの生徒に活用してもらうよう取り組む。

(市町村 2019-03-19付)