３０年度公務災害発生状況―札幌市教委　８５件　減少傾向に　安全衛生の日など効果　

（市町村 2019-06-13付）

　札幌市教委は、平成３０年度公務災害発生状況をまとめた。授業や部活動指導、学校行事など、教育活動中に発生した公務災害の発生件数は前年度比３５件減の８５件。市教委は公務災害の減少傾向について、３０年度から各園・学校において危険個所の把握や災害予防の意識啓発に取り組む「安全衛生の日」を実施していることから「教職員が危険個所を共有するなど意識を高めることで、公務災害の未然防止につながっているのでは」と話している。

　３０年度の公務災害の発生件数は８５件で、前年度比３５件減。校種別では、幼稚園が１件、小学校が５０件、中学校が２６件、中等教育学校・高校が６件、特別支援学校が２件と、どの校種とも前年度と比較して件数は同数または減少となった。

　状況別では、通常職務の発生が４０件と最も多く、体育授業が１５件、部活動指導が９件、学校行事や中・昼休み、その他がそれぞれ７件だった。

　このうち、体育授業では、教員がダンスの模範中に、跳躍して着地した際に左足首を捻って負傷したケースなどがあった。

　傷病部位別では、上肢が３０件、下肢が２０件、頭部が１５件、胴体が１１件、複合部位が７件、頸部が２件。傷病別では、骨折が２２件、切創が１６件、打撲が１５件、捻挫が１０件、挫創が９件などとなった。

　また、発生月別では、５月と９月、１１月が１０件と多く、８月が１件と少なかった。

　年代別では、５０代が２４件と最も多く、３０代が２３件、２０代が１６件、４０代が１５件と続いた。

　市教委では、公務災害の未然防止に向けて３０年度から「安全衛生の日」の取組を実施。各園・学校では毎月特定の日を「安全衛生の日」と定め、「総括管理者（校長）をはじめ各職員による職場視察」「危険個所や災害発生事例等の情報共有の場の創設」「災害の未然防止対策の検討および実施」といった活動に取り組んでいる。危険個所の把握や災害予防の意識啓発を行う機会を創出させるなど、公務災害の発生防止に寄与している。

(市町村 2019-06-13付)