夕張市の教育行政執行方針 総合型クラブに部活動 eラーニングシステムで学習支援(市町村 2019-06-12付)
夕張市教委・今勉教育長
【岩見沢発】夕張市教委の今勉教育長は本年度教育行政執行方針において、教職員の働き方改革の観点から、総合型地域スポーツクラブに部活動を移行する準備を進めていくとした。また、学力の向上を目指し、道教委が千歳科学技術大学と連携協力する「eラーニングシステム」を活用していくとした。
教育行政執行方針の概要はつぎのとおり。
▼確かな学力を身に付ける教育の推進
確かな学力の育成について。基礎学力向上を目指し放課後学習支援事業(サポートスタディ)の活用とコミュニティ・スクールとの連携を強化し、社会に開かれた教育課程の実現を図るとともに、教職員が授業に専念できる環境を整備していく。道教委が千歳科学技術大学と連携協力する「eラーニングシステム」を活用し、放課後学習・家庭学習の支援に努めていく。
小中高校魅力化の推進について。夕張高校の進学実績の向上や部活動の活性化を図り、夕張高の魅力化を推進し、進学率を高めていく。
国際理解教育の充実について。平成30年度から完全実施した小中高一貫のマンツーマンオンライン英会話を教科書に準拠したものとし、ALTの活用も含め、身近な地域で英会話に挑戦できる機会の拡充などに努め、国際理解教育の充実を一層図っていく。
特別支援教育の内容充実について。インクルーシブ教育の理念を踏まえ、市障がい児教育促進協議会および特別支援教育連絡協議会などと連携を図り、特別支援教員の配置と活用を促し、一人ひとりの教育ニーズに応じた指導や支援を推進していく。
情報教育の充実について。教員がICTを活用する指導力の向上に向けた教員研修を実施するとともに、ICT環境の充実を図っていく。
▼豊かな人間性を身に付ける教育の推進
家庭教育の支援について。市内外の教育関係団体等と連携を強化し、子どもたちが互いに尊重し合い、礼儀正しく思いやりのある人間育成に努めていく。
幼児教育の充実について。幼稚園(認定こども園)、保育所における幼児教育の質の向上を図り、幼児教育と小学校の円滑な接続に向け取り組んでいく。教職員の研修会を開催し、幼稚園教育要領に沿ったカリキュラム・マネジメントに基づく学びの連続性を確保した取組を促進する。
学校安全教育の充実について。市通学路交通安全プログラムに基づき、教育機関・警察・学校運営協議会などとの連携を一層強化し、地域全体で子どもを守る意識を高めていく。近年の温暖化による異常気象や地震などの自然災害に対し、命を守る意識の醸成に努めるとともに、地域の実態を踏まえた災害に対する避難訓練の取組に努める。
学校と地域の連携・協働の推進について。地域の教育力を生かした学校づくりと地域の特色を生かした子どもの拠点づくりの推進を図っていく。サポートスタディの活用と学校運営協議会との連携を強化し、持続可能な学校運営体制の整備に努める。
▼健やかな心身を育む教育の推進
体力・運動能力の向上について。小学5年生と中学2年生の全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果から、劣っている体力や運動能力の向上に向けた日常的な教育活動に努め、全国・全道レベルにしていく。体力の向上については、幼小中高校に限定せず、市民全体で体力向上に向けた取組に努めていく。
部活動の活性化について。地域の実態に合った部活動の設立と道教委が実施している外部指導者活用事業を活用する。教職員の働き方改革の観点から、総合型地域スポーツクラブへ部活動を移行する準備も進めていく。
子どもから高齢者まで運動やスポーツ・文化等に親しみ、学校、家庭、地域が一体となった活動機会を充実するために、年間を通じ、総合型地域スポーツクラブ推進に努めていく。総合型地域スポーツクラブの活動拠点は、ゆうばり文化スポーツセンターだが、市内小・中学校、高校の空き教室なども活用し、活動範囲の広域化を図っていく。
▼人と人、地域と地域をつなぐ社会教育の推進
本年度完成予定の拠点複合施設は、子育て支援・社会教育事業の拠点施設としての役割を担うことから、市民が潤いある生活を送り、持続可能な地域づくりに向けた生涯学習活動推進に努めていく。拠点複合施設の利用促進とともに、計画的・効果的な運用に向け、拠点複合施設活用促進委員会を設置し、各種関連団体と様々な事業の協議・検討を図っていく。拠点複合施設には、図書機能が加わることから、市民の図書活用の拡大を図るとともに、子どもの読書活動推進のための環境を整備していく。
(市町村 2019-06-12付)
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