美瑛町の教育行政執行方針 通級指導教室を新設 中学校で防災考える日
(市町村 2019-06-14付)

美瑛町教委千葉茂美
美瑛町教委・千葉茂美教育長

 【旭川発】美瑛町教委の千葉茂美教育長は、10日開会の第4回定例会で令和元年度教育行政執行方針を説明した。美瑛中学校に「すだちの教室」(情緒障害通級指導教室)を新設して校内の引継ぎ体制を充実。また、中学校で防災を考える日を設け、意識を高める取組を行う。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育】

▼社会で活きる力の育成

 基礎学力の定着や学習習慣の確立を図るため、各学校で取り組んでいる長期休業中の学習サポートや教育委員会が主体となった学習ルームを開設する。

 本年度、小・中学校の児童生徒用パソコンの更新や普通教室に無線LANのアクセスポイントを整備するなど、ICT機器を有効に活用し、分かる授業の実現や情報活用能力の育成など、授業の質的向上に向けて引き続き取り組む。

 町の特別支援教育は、すべての子どもを対象としている。すべての子どもへの支援体制を円滑に進めるため、校長のリーダーシップのもと、特別支援教育への理解向上と子ども一人ひとりへの支援体制の充実に努めるほか、校内の引継ぎ体制の充実、中1ギャップ未然防止の取組や幼保小中高を見据えた取組充実のため、美瑛中に「すだちの教室」(情緒障害通級指導教室)を新設して幼保小中高それぞれの進学時において、これまで以上の連携に取り組む。

 学びのスタイルの違いから起きる小1プロブレムに対して、小学校全校で小1スタートカリキュラムを作成する。

 また、就学前の子どもへの教育・保育のニーズに適切に対応するため、関係者による合同研修の場を設定する。

 中学校では、災害時には学校が避難所となることから、防災を考える日を設け、意識を高める取組を行う。

▼豊かな心と健やかな体の育成

 いじめや不登校の問題の対応には、町生徒指導連絡協議会を通して小・中・高が共通認識のもと、十分な引継ぎなどによってさらに連携を深めるとともに、学校と家庭が連携して児童生徒理解・教育支援シートなどを活用しながら未然防止、早期発見・早期対応に努める。

 中学校教員による小学校への出前授業をはじめ、授業公開や授業交流などによって、学習指導の専門性を高め、授業改善を図るよう進めるとともに、義務教育9年間を見通してさらに小・中連携を深める。

 学校図書館では、子どもたちの自主的な読書活動を支援するため、町の図書館と連携して図書館司書を巡回配置する。

 体力の向上について。平成30年度に完成した町民プールは屋内のため、1年を通しての授業や放課後活動など、子どもに合った体力向上に向け活用する。

 学校給食では、バイキング給食や小・中学生を対象としたアグリスクールなどの食の体験学習を通じ、地場の農産物への理解と愛着を深め郷土愛を育む。

▼学びを支える家庭・地域との連携・協働

 土曜日を有意義に過ごすため、土曜学習事業などの学習指導のほか、家庭における望ましい生活習慣の定着を図ることを目的に通学合宿を実施する。

▼学びをつなぐ学校づくりの推進

 学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」、町で策定した「教職員の負担軽減に向けて」などによって、長期休業中の学校閉庁日の設定や部活動休養日を設ける。

 また、校内体制や業務内容の見直しを進めながら教職員の働き方を改善し、子どもと向き合う時間の確保など、学校運営の改善を促す。

【社会教育】

▼学びを活かす地域社会

 町で管理運営する社会教育施設や社会体育施設の活用はもとより、学校開放や大雪青少年交流の家などの教育関連機関と連携・協働し、学習内容の充実と学習成果の実践につながる取組を推進する。

 図書館は、利用促進を図るため、長期休業中に子どもたちの学習の場として、会議室を解放するなどの取組を引き続き進める。

 本年度、絵本作家による読み聞かせやキャリア教育と幼児期における本とのふれあい方などについての講演会を開催する。

(市町村 2019-06-14付)

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