大樹町の教育行政執行方針 小・中に支援員7人 CS推進し体制整備(市町村 2019-06-17付)
大樹町教委・板谷裕康教育長
【帯広発】大樹町教委の板谷裕康教育長は、10日開会の第2回定例町議会で令和元年度教育行政執行方針を説明した。大樹小学校に6人、大樹中学校に1人の支援員を配置。教育的ニーズに応じた学校づくりに努め、コミュニティ・スクールの推進によって、地域全体で子どもを育む体制を整備する。また、大樹高校への教育振興を継続し、存続について町民と協議する意向を示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【学校教育の推進】
▼確かな学力の育成
学力向上の取組においては、大樹小学校が平成24年度から道教委の指定を受け、大樹中と連携した学校力向上に関する総合実践事業に継続して取り組み、わかる・楽しい・力の付く授業実践に励むことで、子どもたちの聴き方・発表の仕方等の学ぶ構えが身に付いてきた。
今後も実践事業を推進し、加配教職員の有効活用をはじめ、チーム学校としての組織力の向上に努め、個と集団との望ましい相乗効果を生み出すとともに、前年度の中学校に引き続き、本年度は小学校におけるICT環境整備を段階的に進め、学校教育の質を高めていく。
個に応じた指導の充実については、厳しい財政状況・人材難ではあるが、大樹小学校に6人、大樹中学校に1人の支援員を配置し、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導および支援を行い、充実感を味わえる学校づくりに努めていく。
外国語教育の充実については、グローバル化の進展に適応する人材育成のため、28年8月から外国語指導助手を2人体制にし、児童生徒等の英語に親しむ教育環境の充実を図る。
また、グローバルな視点を養い、共生の精神で自らコミュニケーションを図ろうとする人材を育成するために、異文化理解や積極的な英語でのコミュニケーション活動を推進する。
大樹高校では、30年度から見学旅行先を本町と友好協定を結んでいる台湾の高雄市大樹区に変更し、貴重な海外体験を通して、外から母国・日本を見つめ視野を拡げるなど多くの成果が報告されており、本年度も昨年度同様に助成を行う。
▼豊かな心の育成
複雑な家庭環境・デリケートで傷付きやすい精神状態等を背景に発生する問題行動に適切に対応するため、スクールカウンセラーなどの福祉・医療の専門家との連携・協働に努めていく。
▼健やかな体の育成
体力向上の取組については、全国体力・運動能力、運動習慣等調査において大きな成果がみられた。今後も、スクールバス通学、市街地においても保護者の車による送迎など児童の歩く機会の減少面にも着目し、運動量の多い体育授業の創造、身体を動かす集団遊びの励行、自己記録への挑戦環境などにも、より一層意識的に取組んでいく。
【地域全体で育てるCS体制づくりの推進】
▼小中高連携の推進
「大樹学」の推進では、小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業の成果をさらに精査し工夫を加えながら、町議会・家庭教育サポート地域企業等との連携を引き続き進めていく。
また、航空宇宙関連産業のみならず「自然環境に恵まれた大樹」「酪農王国大樹」など、基幹産業である第一次産業や農山漁村交流を含めた観光資源にもあらためて着目し、地域を深く知り、地域の優位性に自信と夢をもつ人づくりにも関連付けていく。
▼地域の教育力の向上
近年、充実を図って活動してきた学校支援地域本部の機能を拡充し、地域学校協働本部を整備していく。
コーディネーターを中心に、学校のニーズを吸い上げ、専門的な外部講師や人材を発掘・紹介し、学校現場とつなぐことによって、教育の質を向上させる。
また、多忙な学校の働き方改革の一助となる連携の輪を拡げ、学校運営協議会の充実を図りながら、保護者、地域住民の理解・関心を高め、地域の教育力の向上に努める。
子育て現役世代はもちろん、経験豊かで時間的にも余裕のある方々の参加を促し、「おらが学校」意識につなげ、参加・協力による生きがい、社会貢献の好循環を図る。
▼大樹高校の充実・活性化への支援
公立高校配置計画による学校再編が進められる中、引き続き大樹高校振興会への助成を継続し、通学費や各種検定受検料の助成、学校給食の提供などを支援し、学校存置を図っていく。
これからは、少子化の著しい年代が高校入学の時期に当たるので、町ぐるみで危機感をもって対応できるよう啓発に努める。
(市町村 2019-06-17付)
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