札幌市子ども未来プラン次期計画骨子案 放課後の遊び場提供など 9月以降、会議開き審議
(市町村 2019-08-26付)

 札幌市子ども未来局は、「新・さっぽろ子ども未来プラン」の次期計画(2~6年度)骨子案をまとめた。子育て支援の充実に向け、4つの基本目標を設定し基本施策を示した。新規に「放課後の子どもの遊び場・生活の場の提供」「子どもの貧困への支援の充実」などを盛り込んだ。9月以降に2回程度、札幌市子ども・子育て会議で、骨子案を審議するほか、議会報告やパブリックコメントを経て、年度末までに成果とする予定だ。

 プランは、子どもの権利の推進と子どもの育ちや子育てを総合的に支援するもの。

 市子ども未来局は、平成26年度までを計画期間とする次世代育成支援対策推進行動計画「さっぽろ子ども未来プラン」を16年度に策定した。また、27年度には「新・さっぽろ子ども未来プラン」を策定。基本理念「子どもの権利を尊重し、子どもの輝きがすべての市民を笑顔で結ぶまち」のもと、「幼児期の学校教育・保育の質の向上」「充実した学校教育等の推進」「障がいのある子ども・発達が気になる子どもへの支援の充実」などの施策を推進してきた。

 本年度、「新・さっぽろ子ども未来プラン」の計画期間が終了することから、子育て施策をめぐる新たな課題に対応する施策を盛り込んだ計画を策定することとした。計画期間は令和2年度から5年間。

 骨子案では、就学前児童のいる世帯を対象としたニーズ調査などから、「父親の育児参加をさらに充実させるための取組」「仕事と家庭の両立支援に向けた企業への働きかけの強化」などの必要性を挙げている。

 基本目標として、①子どもの権利を大切にする環境の充実②安心して子どもを生み育てられる環境の充実③子どもと若者の成長と自立を支える環境の充実④配慮を要する子どもと家庭を支える環境―の4点を掲げている。

 うち、③は、新規の基本施策として「放課後の子どもの遊び場・生活の場の提供」を盛り込んだ。

 ④は、新規の基本施策として「子どもの貧困への支援の充実」「子どもを受け入れる多様性のある社会の推進」を、現行プランから充実させた基本施策として「障がい、医療的ケアを必要とする子どもへの支援の充実」を掲げている。

 骨子案の基本目標や基本施策はつぎのとおり(▼基本目標、▽基本施策)。

▼基本目標1 子どもの権利を大切にする環境の充実

▽子どもの権利を大切にする意識の向上=広報・普及啓発、人権教育、教員研修、学校等との連携等

▽子どもの意見表明・参加の促進=子どもの市政・まちづくり参加、児童会館子ども運営委員会、地域の子ども参加、多様な体験機会等

▽子どもを受け止め、育む環境づくり=母子保健、青少年健全育成、スクールカウンセラー等の活用、居場所づくり、いじめ・不登校対策等

▽子どもの権利の侵害からの救済=子どもアシストセンター相談対応、児童虐待対応等

▼基本目標2 安心して子どもを生み育てられる環境の充実

▽高まる保育ニーズへの対応(新規)=保育所整備等待機児童対策、多様な保育ニーズへの対応(時間外保育・休日保育・病児保育・一時預かり等)、保育士等確保・研修の充実、ICT推進、指導監査の充実、防災対応等

▽社会全体での子育て支援の充実(拡充)=各種子育て支援事業(父親の子育て参加・ストレス軽減・情報提供)、仕事と家庭の両立支援(ワークライフバランスの推進、女性の活躍支援、企業への働きかけ)等

▽親子の健康を支える相談支援の充実=母子・思春期関係事業(不妊治療、産後ケア、乳幼児健診等)、妊娠時の子育てサポート等

▽経済的支援の充実(新規)=各種手当・軽減措置、特別奨学金、幼保無償化、保育料軽減、医療費助成の拡充等

▼基本目標3 子どもと若者の成長と自立を支える環境の充実

▽充実した学校教育の推進=幼児教育、学校教育の更なる推進等

▽放課後の子どもの遊び場・生活の場の提供(新規)=新型児童会館等整備、児童クラブの充実、民間児童育成会への支援等

▽地域における子どもの成長を支える環境づくり(拡充)=地域子育てサロン、青少年育成委員会・見守り、地域虐待防止員、居場所づくり(子ども食堂)、公園等の環境整備・遊び場の充実、多様な体験機会(プレーパーク、国際交流、文化・スポーツ体験)等

▽次代を担う若者への支援体制の充実=若者活動、ひきこもり支援、フリースクール支援等

▼基本目標4 配慮を要する子どもと家庭を支える環境

▽児童養護体制の推進=児童虐待対応、児童養護施設、里親委託、児童相談所二所体制、児童相談強化プランに基づく事業等

▽障がい、医療的ケアを必要とする子どもへの支援の充実(拡充)=障がい児関係事業、施設等の障がい児の受入れ、療育指導、発達相談、医療的ケア児対応等

▽子どもの貧困への支援の充実(新規)=子どもの貧困対策計画に基づく各種事業(子どもコーディネーター、子ども食堂)等

▽ひとり親家庭への支援の充実=ひとり親家庭等自立促進計画に基づく各種事業(児童手当、奨学金関係、母子寡婦事業)等

▽子どもを受け入れる多様性のある社会の推進(新規)=※性的少数者の子ども、外国籍の子どもなど、庁内各部局からの検討状況に応じて施策への位置づけを検討

(市町村 2019-08-26付)

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