小学校の働き方改革で広尾町教委　指導要録を一元的に管理　新たな支援ファイル作成

（市町村 2019-08-23付）

今後、中学校版の作成も予定

　【帯広発】広尾町教委は、小学校の学校における働き方改革推進のため、小学校指導要録の作成と管理を支援するファイルを作成した。「特別の教科　道徳」の教科化に伴うもので、表計算ソフトの機能を活用。指導要録の入力・印刷・データ化を一元的に管理することができ、作業の省力化を通じて教員の負担軽減を図っている。

　町教委は前年度までに、職員が表計算機能を使った勤務時間管理ファイルを作成し、各学校の職員室に設置したパソコンを通じて出退勤管理を行ってきた。今回、「特別の教科　道徳」の教科化による指導要録変更に伴って、「教職員の年度末の業務量増加を少しでも抑えたい」という町教頭会からの意見を受け、働き方改革の推進の一環として新たな取組に着手した。

　ファイル作成に当たっては、小学校の教員にヒアリングを行い、使いやすさを最優先に考えた。

　完成したファイルを使用する広尾小学校教務主任の水野宏美教諭は、これまでの手書きの指導要録と比べて作業時間が短縮されて修正が容易になったとし、「作成から完成までの時間が短縮されたことで、教職員間の引き継ぎなど、他の業務に時間を充てることが可能になった」と話す。

　作成を担当した町教委の南部圭佑主事は、入力のための簡易マニュアルを作成。「ファイルは、指導要録の入力から印刷・データ化までを一元的に管理できる。入力用フォームを用意するなど工夫して、パソコンの入力時間を極力減らした」と説明する。

　町教委は今後、中学校の道徳の教科化に合わせて中学校版を作成。小・中学校の学習指導要領改訂に対応するためにファイルのバージョンアップを行い、教職員のさらなる負担軽減を目指していく。

(市町村 2019-08-23付)