岩見沢市2年度教育行政方針 子どもと創る授業推進 仲間づくりや学習スキル向上(市町村 2020-03-09付)
岩見沢市教委・三角光二教育長
【岩見沢発】岩見沢市教委の三角光二教育長は、2日開会の第1回市議会定例会で令和2年度教育行政方針を示した。小・中学校において、子どもの声が響き合う「子どもと創る」授業を推進。学力向上の基盤となる傾聴・受容・共感の信頼関係に基づく仲間づくりや学習スキルの向上による子どもたちの学びに向かう力の育成に努める。
教育行政方針の概要はつぎのとおり。
▼新しい時代に対応できる力の育成
子どもが自ら未来を切り開いていく上で必要な資質・能力を育成するために、主体的・対話的で深い学びを通して、確かな学力の定着を図る。
そのため、小・中学校において何を学ぶかだけでなく、どのように学ぶかを重視し、子どもの思考に働きかける「教えて考えさせる」授業スタイルを基盤とした子どもの声が響き合う「子どもと創る」授業を推進する。
学力向上の基盤となる傾聴・受容・共感の信頼関係に基づく仲間づくりや学習スキルの向上による子どもたちの学びに向かう力の育成に努める。状況を的確に把握し、目標を明確にしたPDCAサイクルによるカリキュラム・マネジメントに基づき、教育課程の工夫改善や小・中学校が一貫した学力向上の取組を組織的に推進する。
ICTの効果的な活用と情報活用の実践力を高める教育を推進するとともに、外国語指導助手を有効に活用するなど、「英語が使える岩見沢の子ども」の育成に向けて、外国語教育の充実を図る。
大学の教員による出前授業や協力授業など、道教育大学岩見沢校との連携を図った教育活動を推進するとともに、学校が企画・立案する学力向上の取組を積極的に支援し、学校が一体となって組織的に機能する学校力の向上を図る。
▼豊かな人間性と健やかな体を育成する教育の推進
ピア・サポートの取組によって自尊感情や自己有用感を育むとともに、誰もが自己の成長を実感し達成感のもてる授業づくり、子どもを主体として子どもに寄り添う日常指導に努める。
子どもたちがふるさとに愛着をもち、岩見沢の人・歴史・文化・自然に誇りをもてるよう、ふるさと教育を推進する。
道徳教育の充実を図り、命を大切にし、豊かな人間性・社会性を育てる心の教育を推進する。体験活動や読書活動の充実を図り、豊かな感性や想像力を育む。
すべての学年で行う体力テストの結果に基づき、体育の授業改善と9年間を見通した体力づくりに取り組み、体力向上や運動の習慣化を図る。
早寝・早起き・朝ごはんをはじめとする「家庭での5つの約束」を基本とした活動を展開し、望ましい生活習慣の定着に努める。
薬物乱用防止教育や防災教育の充実を図り、自らの判断で自分の命を守ることのできる力を養う。
▼育ちと学びを支える教育環境の充実
市いじめ防止基本方針に基づく市いじめ問題対策連絡協議会などの組織や教育支援センターを中心に、いじめや不登校の問題をはじめ、悩み・不安をもつ子どもや保護者、学校を支援する。
特別支援教育支援員や学校看護師の配置などによって、子ども一人ひとりの発達を保障する特別支援教育の充実に努めるとともに、将来の生き方や望ましい勤労観・職業観を育むキャリア教育を一層推進する。
学習塾との連携によって土曜学習会・英検学習会を統合して実施するS・Eスタディ、囲碁の授業、長期休業中の学び合い広場など、多様な学ぶ場と機会を提供する。
教育研究所では、教育効果を高めることに重点を置いて「調査・研究」「養成・研修」の充実を図る。教員の実践的指導力を高め、専門的力量を発揮できるよう、資質・能力の向上を図る各種研修を実施する。
地域性に応じた特色ある学校づくりや適正な規模による学校教育が行われるよう引き続き検討するとともに、子どもたちの安全・安心で快適な教育環境を確保するため、学校施設の老朽化対策など施設設備の改修を行う。
▼信頼と期待に応える開かれた学校づくり
社会に開かれた教育課程を実施し、教育活動や学校運営の改善・充実を図るとともに、業務の見直し・改善によって、子どもと向き合い、子どもを徹底して大切にする教育の実現に向けて、学校における働き方改革を推進する。
コミュニティ・スクール、中学校区におけるコミュニティ・エリアの設置を進め、学校・家庭・地域が連携・協働した教育活動の推進、子どもを見守り、安全・安心な環境の確保に取り組む。各校種間での連携・交流を促進し、学びの連続性を大切にした教育活動を展開する。
▼岩見沢緑陵高校の教育の充実
普通科の普通コースとスポーツ総合コース、情報コミュニケーション科それぞれの特色を生かして、生徒が希望する多様な進路に対応した教育課程を編成・実施し、将来の自己実現に向けた資質・能力を育成する活力と特色ある学校づくりを推進する。
▼学校給食の充実
学校給食共同調理所においてHACCPに基づいた食品の衛生管理を徹底するとともに、新鮮で安全な地元産の食材を積極的に活用し、安全・安心で子どもたちが健やかに成長できる学校給食に取り組む。
栄養教諭による食育の授業や共同調理所の見学等を通じて子どもたちが食に関する正しい知識を習得し、望ましい食習慣を身に付けることができるよう、食育の充実に取り組む。
食物アレルギーについては、子どもの命と健康を守ることを最優先として、アレルギー対応に家庭や学校と連携して取り組み、安全で喜ばれる学校給食の提供に努める。
(市町村 2020-03-09付)
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