厚沢部町２年度教育行政執行方針　全小・中でＣＳ実施　社会科副読本を全面改訂

（市町村 2020-04-01付）

厚沢部町教委・鈴木聡教育長

　【函館発】厚沢部町教委の鈴木聡教育長は令和２年度教育行政執行方針において、町内すべての小・中学校でコミュニティ・スクールを実施する意向を示した。小学校３・４年生で使用している社会科副読本『わたしたちの町あっさぶ』について、ふるさとへの学びと関心が深まるよう、新学習指導要領に則して全面改訂を進めていく。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力の育成

　習熟度別少人数指導やチーム・ティーチングなど、個に応じた効果的な学習指導の一層の充実に取り組むとともに、指導主事による指導・支援を行う。

　昨年１２月に国が示した生徒１人１台端末と校内ネットワーク環境を整備するＧＩＧＡスクール構想について迅速に対応し、実物投影機や電子黒板、タブレット、デジタル教科書等のＩＣＴ機器を活用した授業力の向上と、“分かる・できる”を実感する魅力ある授業の一層の充実を図るとともに、２年度実施となる小学校プログラミング教育の支援・推進と、児童生徒の望ましい情報活用能力や情報モラルの育成に努める。

　加えて、小学校３・４年生で使用している社会科副読本『わたしたちの町あっさぶ』について、ふるさとへの学びと関心が深まるよう、新学習指導要領に則しつつ全面改訂を行う。

▼外国語・キャリア教育の充実

　小学校外国語教育の充実・発展のため、２年度小学校へ配置される巡回指導教員と中学校専科教員による外国語学習指導や教員の研修機会拡充等、指導力の向上を図るとともに、中学校英語教員による小学校への乗り入れ授業を一層推進していく。

　児童生徒の基礎的外国語コミュニケーション能力の確立に向けて、ＡＬＴの学校訪問等、英会話の実践的学習を計画的に進める。

　キャリア教育は、現在行われている小学校での職場見学・職業調べ、中学校の職場体験学習の促進と充実を図り、一人ひとりの社会的・職業的自立の基盤となる望ましい職業観や勤労観などを育む。

▼道徳教育の充実

　「特別の教科　道徳」全面実施のもと、解答が一つではない道徳的な課題に真摯に向き合い、他者とのかかわりの中で考え方を広げ、深化させ、よりよく生きようとする力を育む道徳教育を推進する。

　また、各校の道徳教育推進教師を中心に計画的な研修を進め、指導力の向上を図るとともに、教員一人ひとりが豊かな人間性をもって道徳教育を進めることができるよう努める。

▼学校運営の改善

　平成３０年度、厚沢部小学校で、学校と地域が一体となって子どもたちの学びを支え育む仕組みとしてスタートしたコミュニティ・スクールを、２年度から町内すべての小・中学校で開始する。

　また、学校における働き方改革として策定した、学校における働き方改革推進計画や設置する学校にかかる部活動の方針に基づいて取組を推進してきた。今後も、国や道の動向に留意し、各校の取組状況を踏まえた見直しや改善を図り、教員の負担軽減とともに、子どもと向き合う時間の確保に努めていく。

▼学校教育環境の整備・充実

　校舎の経年劣化による修繕をはじめ、ＩＣＴ環境や防災環境等の整備についての調査結果をもとに、緊急性の高いものからできる限り速やかに対応してきたが、厚沢部小学校築４３年、鶉小学校築３５年、館小学校築３６年、厚沢部中学校築４１年と、決して望ましい教育環境とはいえない。教育委員会としては、その点を十分に考慮しつつ、ＩＣＴ機器の整備や国のＧＩＧＡスクール構想事業について迅速に対応していく。

　義務教育の未来と小学校の適正配置については、教育委員会と小・中学校の校長が中心となって小中一貫教育構想（グランドデザイン）を作成し、最終的には小中合同による学校運営協議会での検討へ向け取組を進める。

(市町村 2020-04-01付)