様似町２年度教育行政執行方針　複数教員で少人数指導　小中一貫教育着実に推進

（市町村 2020-04-14付）

様似町教委・荒木輝明教育長

　【浦河発】様似町教委の荒木輝明教育長は令和２年度教育行政執行方針で、学力向上対策として、複数の教員による少人数指導を柱とした学習指導体制の充実を推進していく考えを示した。小中一貫教育の着実な推進に向け、小中合同研修会などを通し、教職員の経営参画意識を高めていく体制づくりを支援する方針を明らかにした。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼幼児教育および保育の推進

　子どもの健全な心身の発達過程に対応した保育環境のもと、自発的な活動の遊びを通し、心豊かな人間として生きていくための生きる力の基礎となる資質・能力を育み、健やかな発達を保障する中で学習能力の基礎となる学びに向かう力を着実に身に付ける取組を進める。

　特色ある取組として定着してきている英語を楽しく学べる国際交流員（ＣＩＲ）による英語あそび、文字や数への興味・関心を高めるもじ・かずタイムを継続し、年齢段階にあった組織的な取組となるよう進めるとともに、基本的な生活習慣の定着と情操教育に努める。

▼学校教育の推進

　学力の向上については、児童生徒の実態分析に基づいたきめ細かな学習指導を行うため、道教委の教員加配事業をはじめ、小学校での通級指導教室の効果的な運用や授業改善推進チーム事業などを有効的に活用し、各学校に町採用の臨時教職員の配置確保に向け道教委と連携を図りながら、複数の教員による少人数指導を柱にした学習指導体制の充実を推進していく。

　様似小学校と様似中学校を併設型の小中一貫校として位置付けてから４年目を迎える。教職員の兼務発令のもと合同研修会などを通じて、小・中学校９年間の系統的・継続的な教育を行うための調査・研究を実施するとともに、学校種の垣根を越えた教職員による指導体制を図る小中一貫相互授業の取組に力を注ぐ。

　コミュニティ・スクールについては、地域や保護者をはじめ、様似出身の浦河高校の生徒にも協議会運営に主体的に参画してもらい、よりよい様似町型コミュニティ・スクールの実現に向けて、幼児センターから小・中学校までを一つの枠組みとした学校運営協議会を組織し、学校・家庭・地域が連携・協働する取組の充実を図る。

　ふるさと教育については、様似を知る・愛するふるさとアポイ学として、小・中学校９年間のそれぞれの場面で総合的な学習の時間として取組を推進する。

　小中一貫教育を着実に推進するために、小中合同研修会などを通して、教職員の経営参画意識を高め、小中一貫校としての認識をもって取り組むことができる体制づくりを支援する。

　英語教育については、小・中学校にそれぞれ１人ずつ配置している外国語指導助手（ＡＬＴ）を効果的に活用し、子どもたちが異文化への理解を深め、英語を通してコミュニケーション能力を高めることができるよう拡充に努める。

▼社会教育の推進

　学校教育活動を地域で支える学校支援ボランティアや放課後子ども教室、地域の人材を活用した教育支援活動において、幼児から成人・高齢者までのあらゆる世代の町民が参加し、学びの好循環が生まれるよう事業展開を図る。

　少年教育については、ユネスコ世界ジオパーク再認定を果たした町の特色ある自然・歴史・文化といった地域の教育資源を生かし、多様な人々とふれあう体験活動を通し、自主性や愛郷心、豊かな人間性を育む。

(市町村 2020-04-14付)