増毛町２年度教育行政執行方針　働き方改革で環境整備　地域とともにある学校を

（市町村 2020-04-30付）

増毛町教委・佐藤敏治教育長

　【留萌発】増毛町教委の佐藤敏治教育長は、令和２年度教育行政執行方針において、学校運営協議会制度の導入や地域人材力の活用によって地域と共にある学校づくりに取り組む考えを示した。また、教職員が心身の健康を保持して職務に向かうことができるよう、働き方改革による環境整備に努める。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

　学校運営協議会制度を導入し、保護者や地域との信頼関係を深め、地域の人材力も活用しながら、地域と共にある学校づくりを目指し、学校運営の改善や児童生徒の健全育成に取り組んでいく。

　教職員の働き方改革については、教職員が心身の健康を保持して職務に向かうことができるよう、町ワークスタイルプランと中学校の部活動にかかる活動方針をもとに環境を整える。

【自ら学び、考える力を育てる学習指導の充実】

▼学力の育成

　道教委の加配によって教員の増員を図り、習熟度別授業などの学習指導を実践する。学習支援員を小学校２人、中学校１人配置して、授業のサポート指導などを行い、学力の底上げを図る。

▼ＩＣＴ環境の充実

　前年度から国の補正予算によって、校舎内の高速大容量の通信環境整備を進めている。今後、国からの財政措置を活用し、児童生徒１人１台の端末整備事業を推進する。

▼英語教育

　町のＡＬＴを有効活用し、生きた英語による児童生徒のコミュニケーション能力の向上と国際感覚の養成に努める。小・中学校連携推進事業での教員交流などを通して教員の資質を高め、英語教育の充実に努めていく。

▼小・中学校の連携

　町教育振興会が中心となって、小・中学校の教職員による教科班の指導研修や乗り入れ授業、教員の相互授業参観、児童生徒の交流授業や情報の共有などを通して、義務教育９年間を見通した指導の充実を目指す。

【地域の自然・文化に触れ、豊かな体験を通したふるさと学習の充実】

　小学校では、社会科副読本や地域の教材や学習環境を積極的に取り入れ、中学校では、増毛山道の歩行体験、地域ボランティア活動、地域のよさを発見・発信する壁新聞作成などを通して、ふるさと学習の充実を図っていく。

【自己を問い、自ら律する心と、他を思いやる心を育てる道徳教育の充実】

　学校では、人権擁護委員や大学教授などの外部講師を招いて、授業内容の充実を図っているが、授業だけではなく学校生活全体を通して様々な人間関係の中で、基本的な倫理観や規範意識、思いやりの心などを育てていく。

【生命の尊さを自覚し、自ら心身を鍛え育てる健康と安全指導の充実】

▼いじめ・不登校

　「いじめは人間として絶対に許されない」という意識を児童生徒に徹底し、傍観も許されない行為であることの認識を指導し、児童生徒の仲間意識や人間関係の変化に留意しつつ、全教職員が共通認識のもと適切な対応に努めていく。

　不登校は、人間関係による不信感や家庭環境の変化、生活習慣の乱れなど、複雑な生活環境に起因して引き起こされるが、保護者との情報共有と信頼関係を図り、カウンセリング、学習・生活支援や、保護者への相談支援、関係機関の協力などによって早期改善に取り組んでいく。

▼身体づくり

　小学校では、道教委のエキスパート事業によって、体育専科の教員派遣を受け指導の充実を図る。町施策として、小・中学生を対象に体育施設の使用料を減免し、運動習慣の定着に向け環境を整えていく。

【一人ひとりの教育的ニーズを把握し、適切な指導、必要な支援を行う】

▼特別支援教育の充実

　通常学級在籍で教科等によって支援が必要となる児童生徒にも支援員等が指導に当たり、教育的ニーズに応じた指導体制を整えている。担当教員は、研修等を通じて専門性の向上を図るとともに、全教職員が特別支援教育に関する理解や知識を深めていく。

　特別支援教育は、学校生活だけではなく家庭や地域での生活も含め、長期的な視点に立って一貫した支援を行うことが重要であり、学校、家庭、行政、専門機関などと連携し、様々な側面からの取組を進めていく。

(市町村 2020-04-30付)