新型コロナ対応で道教委　段階的に教育活動再開へ　分散登校増加　リモート学習も

（コロナウイルス関連 2020-05-18付）

　道教委の小玉俊宏教育長は１５日、道庁別館で記者会見を行い、新型コロナウイルス感染症に関する今後の対応を説明した。石狩管内以外の地域で、感染症対策を徹底した上で分散登校の回数を増やし、段階的に通常の学校教育活動に近い状況へと移行する考えを表明。児童生徒の学びを保障するため、家庭・地域・企業と協力してリモート学習を進める必要性を示した。１人１台端末の実現に向けては、市場から大量調達することが困難な状況もあるとし「可能な限りの下地を整えたい」と述べた。

　１８日以降の学校教育活動について小玉教育長は、石狩管内以外の地域では感染防止対策を徹底して分散登校の回数を増やし、通常の学校教育活動に近い状況へと移行する考えを表明。進路指導が重要な各学校種の最終学年や、教師による対面での学習支援が特に求められる小学１年生の優先的な学習活動の開始に配慮するなど、分散登校の運用方針を周知したことを伝えた。

　感染者の割合が多い石狩管内については、感染状況に応じて衛生部局と相談し、分散登校を含む様々な学習方法を検討するとし、学校再開に当たっては「学習指導要領で示された各教科等の内容をすべての子どもが身に付けることができるよう、学びの保障のための教育課程の編成など適切な対応をお願いしたい」と求めた。

　不足する授業時数を確保するための教育課程の編成に関しては、文部科学省の方針を踏まえて近日中に方針を周知する考えを表明。１日・１週間の学習時間の調整、夏季・冬季の長期休業期間の活用、学校行事の精選で調整するほか、複数年度での教育課程編成などの選択肢があるとし「児童生徒に過度な負担とならないよう検討していきたい」と述べた。

　道教委が作成した『リモート学習支援応急対応マニュアル』については、オンライン学習環境のない家庭のための学習支援の方法も記載したことを伝え「臨時休業後においても、学習の遅れを取り戻す力になる」と強調。

　家庭や地域、企業とも協力してリモート学習を進める必要性を示し、「一人ひとりの“心が近付く”取組を進め、できることは何でもやる姿勢で、学校・家庭・地域の皆さんと汗をかいていきたい」と述べた。

　児童生徒の１人１台端末の実現については、特定警戒都道府県での整備が加速するとの見方を示す一方、市場から大量調達することが困難な状況も指摘。「ＧＩＧＡスクール構想の進展を見据え、可能な限りの下地を整えたい」と述べた。

(コロナウイルス関連 2020-05-18付)