道国公立幼稚園・こども園長会 小学校と連携 一層強化 2年度活動方針決める(関係団体 2020-05-25付)
道国公立幼稚園・こども園長会(坂田恵子会長)は、令和2年度活動方針等を決定した。活動方針では、重点として「幼児期の学校教育としての幼稚園・こども園の在り方」など8点を設定し、教育・保育内容の質的向上、小学校との連携の一層の強化などに取り組む方針を定めた。研究主題は「学びをつなぐ質の高い幼児教育~学校教育の始まりとしての幼児教育を推進する国公立幼稚園・こども園」。3ヵ年計画の2年次に当たる本年度は、書面提言を受けて各地区の会員が主題追究に努めていく。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、総会を中止し、書面にて決議した。
2年度活動の重点、研究主題、事業計画はつぎのとおり。
◆活動の重点
▼幼児期の学校教育としての幼稚園・こども園の在り方
人格形成の基礎を培い、幼児の望ましい成長発達を促すためにつぎの実現を目指す。
▽幼稚園教育要領および幼保連携型認定こども園教育・保育要領の趣旨や理念に沿ったカリキュラム・マネジメントを行い、教育・保育内容の質的向上を図る
▽人格形成の基礎を培う心の教育の推進を図る
▽保護者・地域・社会の動静を見極め、より質の高い実践の工夫・充実を図る
▽幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続のため、幼稚園・こども園と小学校の指導内容・方法の関連についての研究、幼児と児童との交流、教員の合同研修等の機会を設けるなど小学校との連携を一層強化するとともに、学びの接続を推進する
▼教員・保育教諭・保育士の資質向上
幼稚園教育要領および幼保連携型認定こども園教育・保育要領の具現化と教員等の資質向上を図るため、道幼児教育推進センターと連携を図りながらつぎのことの実現を目指す。
▽新規採用教員研修ならびに中堅教諭等資質向上研修等の充実に努める
▽指導的立場にある教員(ミドルリーダー)の資質を高める
▽幼稚園・こども園専任指導主事の増員の推進に寄与する
▽教員等の資質向上を図るため、認定こども園等の職員も参加しやすい研修体制の充実や研究助成措置などの充実を関係機関に働きかける
▽保育における理論と実践の両面から調和の取れた教員養成ならびに教員の資質向上のため努力する
▼保護者の教育力を高める子育て支援
保護者の幼児期の教育に関する理解が深まるようにするため、つぎのことを目指す。
▽国公立幼稚園・こども園は、地域の幼児教育の中核としての役割を果たす
▽保護者との情報交換の機会や保護者と幼児との活動の機会を設ける
▽幼児期にふさわしい生活や、質の高い幼児期の学校教育の内容を発信し、保護者や地域社会等に国公立幼稚園・こども園の価値を理解していただけるよう働きかけ、“社会に開かれた教育課程”の実現を目指す
▼学校評価や学校評議員制度を生かした経営の推進
▽自己点検・自己評価および学校関係者評価を積極的に行い、その結果の公表に努めるとともに、学校評議員制度を生かした園経営の充実を図る
▽地域に開かれた幼稚園・こども園づくりのための施設・設備の充実・改善に努める
▽保護者のニーズや地域の実情、社会の動静に応じた保育の推進など運営の弾力化を図る
▼幼稚園・こども園の安全管理
幼児や幼稚園・こども園の安全管理のため、つぎの実現を目指す。
▽幼児の安全を確保するため、安全教育や指導の強化に努める
▽幼稚園・こども園の安全確保のため、教員数の増員や警備員の配置、施設や設備の充実・改善を関係機関に働きかける
▼特別支援教育の充実
特別な教育的支援を必要とする幼児の指導に当たって、つぎのことの実現を目指す。
▽教育、福祉、医療など各関係機関と連携し、助言または援助を活用するよう努める
▽一人ひとりのニーズに応じ、生涯にわたる質の高い特別支援教育をするため、個別の教育支援計画・指導計画を作成し、指導の質の向上を図る
▼幼児教育の充実のための条件整備
幼児教育の充実のため、つぎのことの推進を目指す。
▽専任園長および副園長(教頭)の配置を関係機関に働きかける。また、養護教諭・事務職員・用務員の配置の促進を働きかけ、職員組織の充実を図る
▽特別な教育的支援を必要とする幼児の就園の条件整備に努める
▽公立幼稚園・こども園未設置市町村の解消を働きかける
▽認定こども園の設置に伴い、充実した幼児教育が実施できるよう、条件整備などを関係機関に働きかける
▼本会の組織・活動の充実
組織・活動のため、つぎのことの実現を目指す。
▽道国公立幼稚園・こども園長会総会・経営研究大会の充実に努める
▽各地区・各園の抱えている問題点の集約と交流
▽日々の園経営・研究の交流を図る
▽こども園等における課題を洗い出し、その特性に応じた経営上の諸問題の解決につながる今後の本会の在り方を検討していく
▽道国公立幼稚園・こども園教育研究大会充実のための連携と協力・支援に努力する
▽全国国公立幼稚園・こども園長会と東北・北海道ブロック園長会との連携と協力に努める
▽6年度全国国公立幼稚園・こども園教育研究協議会北海道大会に向け、各関係機関と連携を図りながら組織編成などの諸準備に取り組む
◆研究主題
▼学びをつなぐ質の高い幼児教育~学校教育の始まりとしての幼児教育を推進する国公立幼稚園・こども園
子ども子育て支援新制度の施行および高大接続の改革を大きな命題として改訂された各教育要領の実施を見据え、学校教育の始まりである幼稚園・こども園は一人ひとりの発達に寄り添い、幼児期にふさわしい生活を保障する責任の重大さを今一度認識しなければならない。
知識を獲得することを先取りするような、いわゆる早期教育とは本質的に異なる「幼児の自発的な活動としての遊びを重視した教育」は、心豊かにたくましく生きる力を身に付けられるよう、生涯にわたる人間形成の基礎を培うことを重視している。この保育の本質を追究し継承していくことが国公立幼稚園・こども園の使命であると考える。
幼稚園教育において育みたい資質・能力および幼児期の終わりまでに育ってほしい姿が明確になった幼稚園教育要領等において、保護者や地域のニーズに応じた新しい園経営の在り方を探ると同時に、これらの要領を理解しその具現に取り組んでいくことが求められている。具現に当たっては、主体的・対話的で深い学びを通して基本的な生活習慣や態度を育て、規範意識・思考力・豊かな感性と表現力の芽生えを養うなど義務教育およびその後の学びの基礎となる力の育成にきめ細かに取り組んでいくことが大切である。
道国公立幼稚園・こども園は、今後の北海道の幼児教育を見通し、幼児の自発的な遊びを通して総合的に学ぶ幼児期の学校教育、質の高い幼児教育を家庭、地域社会、関係機関等に積極的に発信していきたい。
そのために、元年度から3年継続で上記研究主題を掲げた。2年次に当たる本年度は、書面提言を受け、各地区および会員が主題追究に努めたい。
◆事業計画
▼全国国公立幼稚園・こども園長会との連携、情報交流、北海道からの発信事業、各課題の解決に向けての活動
▼全国国公立幼稚園・こども園長会の情報発信、全国国公立幼稚園・こども園教育研究協議会参加と実践発信
▼道教委、道幼児教育推進センターとの連携活動、各課題の解決に向けての活動
▼道教委への要望、懇談会
▼全国・道国公立幼稚園・こども園の現状調査の実施と集約
▼第33回道国公立幼稚園・こども園長会総会・経営研究大会の運営と成果の集約
▼第34回道国公立幼稚園・こども園長会総会・経営研究大会の運営と計画立案と諸準備
▼各地区・ブロックの交流推進
▼事務局便り作成と送付、道園長会の情報交流
▼その他、各団体との密接な連携活動の推進
(関係団体 2020-05-25付)
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