夢や希望につながる取組 道特別支援学校長会 木村会長 
(関係団体 2020-06-01付)

木村浩紀会長
道特別支援学校長会・木村浩紀会長

 道特別支援学校長会の木村浩紀会長あいさつ概要はつぎのとおり。

 新型コロナウイルスの影響で世界中、大変なことになっている。各学校でも様々な対応を行いながら、今後の学校の再開に向けて準備していることと思う。

緊張する場面が多くなるかと思うが、私たちも健康に気を付けて対応していきたい。

 本年度の周年行事等の予定だが、五稜郭支援学校が閉校する。

 五稜郭支援学校は、病弱の養護学校として開校したが、平成29年度から知的障がい高等部のみの学校としてスタートし、他校の開校等に伴い、本年度で役割を終えることになった。

 また、八雲養護学校が現在、手稲養護学校の分校として授業を行っているが、7月に札幌市に移転し、手稲養護学校三角山分校として8月からスタートする。

 周年行事としては、高等聾学校の50周年、白糠、伊達、余市が40周年、夕張が20周年、稲穂が10周年となる。

 全国の校長会としては、全国盲学校長会秋季大会が函館で開催される予定となっている。

 開催方法は、それぞれ検討中だと思う。今後の状況を見守っていきたい。

 令和2年度の本会の方針および活動計画については、基本的に前年度と同様。

 昨年、「業務や研究協議のスリム化について検討し、効果的・効率的な運営の在り方について見直しを進める」という項目を起こし、専門部を中心に関係する業務の見直しを進めてきた。

 本年度は、昨年から検討してきた、働き方改革を念頭に置いた会のスリム化を実行していきたいと考えている。

 具体的には、研究を4本から2本に、会報を3回から2回にするなど、物理的な工夫もしている。

 研究では、一つは施策提言にかかる研究として、「持続可能な委託業務の在り方について~10年後の社会の変化を見通して」を行う。

コロナ渦において、給食の委託やスクールバスの運行など、特別支援学校の運営に欠かすことのできない事項について、10年先どころか、今、どうしていくべきか早急な検討が必要な状況になってきた。

 2つ目は、学校運営にかかる研究として、カリキュラム・マネジメントについて行う。

 今回の学習指導要領の改訂で、小・中学校の学習指導要領や解説に、通級による指導や特別支援学級について書かれていることや個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成、活用が小・中学校でも義務化されている。

 また、関係する複数の教員で作成するケースも出てきている。

 特別支援学校では、今までもカリキュラム・マネジメントを大切にしてきたが、専門家として、さらにレベルを問われることになる。

 社会に開かれた教育課程については“つながり”が重要だが、コロナ渦で、どのように連携できるか、方法論が問われてくる。現状に即した内容や方法についても、整理する必要がある。

 時代の大きな変化や予測不能な事態が起こったときに必要な力を身に付けるため、学習指導要領が改訂されてきた経緯があるが、まさしく今、直面している。子どもたちを指導するだけでなく、私たちも知恵を絞って対応する必要がある。

 GIGAスクール構想の中で、ICTの積極的な活用が求められている。

 オンライン授業も試行的に始めている学校もあるが、必要なところは、できるだけ早く対応できるようにする必要がある。

 遠隔TVシステムについても、すべての学校に導入されるように、本会としても要望している。

 中央教育審議会特別部会や有識者会議も、先日、Zoomによるオンラインで再開した。

 今回は、「幼児教育段階・高校段階における障害のある子どもの学びの場の在り方について」などが協議された。

 私からは、今後、インクルーシブ教育システムを目指すのであれば、地域支援を考慮した教職員定数の見直しを行い、幼稚園でも、盲学校など特別支援学校でも、両方で学べるようにしたい。盲学校など特別支援学校の支援体制が充実した上で、復籍や支援籍が行われることで、地域の子どもたちとのかかわりや専門的な教育の両方が保障できるのではないかと伝えている。

 コロナ渦で対応に追われているが、必ずしも悪いことばかりではない。

 我々が目指していたICTの積極的な活用など、ほかに打つ手が少ない中、必要に迫られて進んでいる。活用に腰の重かった人も、意欲的に活用するようになってきた。

 本会としても、今、しなければならないことをしっかりと行うとともに、子どもたちの夢や希望につながる取組を推進できるようにしていきたいと思う。

 今後も、体は近付かずに密なる連携をしていきたいと考えているので、協力をお願いする。

(関係団体 2020-06-01付)

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