札幌市教委 働き方改革の指針 業務平準化 全校で支援 チーム学校体制など3重点(市町村 2020-07-08付)
札幌市教委は「札幌市における働き方改革に向けて(指針)」を策定した。重点取組項目には、①勤務時間を意識した働き方②学校行事・業務の見直し③チーム学校の体制整備―の3点を設定。教員の業務負担の偏りや負担感を把握し、学校全体でのサポートなどを通し平準化することなどを示した。
前年度、市立小・中学校、高校各1校に派遣した民間コンサルタントからの業務改善等の提言を踏まえ、各学校における働き方改革を推進するとともに、その取組を支援するために策定したもの。
指針は、市教育アクションプランにおける基本施策「教職員が力を十分に発揮できる環境づくり」に位置付け、学校における働き方改革の参考とする。
学校と教育委員会の役割を規定。学校は、教職員の勤務状況の実態を把握し、目標を明確化することで全教職員の共通理解を深めるほか、働き方改革に向けた取組を関係機関などと連携しながら主体的に推進する。
一方、教育委員会はワーキンググループを編成し、教員の働き方改革が進む取組を検討するほか、効果的な取組の情報を発信する。
この規定を受け、市教委はワーキンググループについて、業務効率などを担当するいくつかのグループを編成し、具体的な取組について各校へ周知していくことを検討している。
1ヵ月の勤務時間の上限については、昨年条例および規則等で定めた上限時間となる月45時間未満、1年間の時間外勤務の合計を年360時間未満とした。
重点取組項目として、①勤務時間を意識した働き方②学校行事・業務の見直し③チーム学校の体制整備―の3点を設定。それぞれ、現状と課題、課題の解決に向けた検討事項を提示した。
うち、①については教員には高い使命感があり、長時間勤務をやむを得ないとする考えがあり、勤務時間に対する意識が高いとは言い難いなどと分析。
各校で教員の在校等時間を適切に把握することで、教員の業務負担の偏りや負担感を共有し、学校全体でのサポートの徹底や、校務内容の見直しによる平準化を推進すること、過労死ラインの目安である1ヵ月の時間外勤務80時間以上超えた教員については個別に校長面談を実施することなどを課題解決に向けた検討事項として示している。
また、退勤時刻を明確化し、定時退勤日を週1回設定するなど、終業時刻を意識した取組を促す。
③では、教員以外の職員が対応可能な業務を教員が行っている実態から、教員に対してきめ細かな支援・提案などができる体制が整備されていないと分析。特に、教頭は事務的業務が多いことから、学校事務職員の能力活用や外部人材による学校支援体制の強化を提起している。
本年度から学校事務の共同実施が市内全校で開始されたことに伴い、事務業務の効率化を図り、校種を超えた学校間連携を強化することで教員のサポート体制の充実を図るほか、部活動指導員を令和4年度までに60人程度に増員することを挙げた。
市教委は今後、指針に基づく取組状況を調査し、効果的な取組について学校間で共有することなどを検討。学校における働き方改革の推進に向け取組を進めていく。
(市町村 2020-07-08付)
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