札幌市教委　公立夜間中学の姿　多様なニーズに対応へ　少人数指導など体制６点

（市町村 2020-07-07付）

　札幌市教委は、公立夜間中学の目指す姿や学校づくりの視点についての案を作成した。目指す姿として「学習者の多様な教育ニーズに対応できる場」「安心して学べる場」の２点を提示。目指す姿の実現に向けた学校づくりの視点として、学習者の多様なニーズに対応するため「学び直しの保障」「自己肯定感を高め、自信に結び付く支援」など５点、安心して学べる体制づくりに向けて「少人数指導体制の充実」「柔軟な入学体制」など６点を示した。

　市教委は、アンケート結果で入学対象となる各層から学習の基礎・基本や日本語指導、社会常識の習得など幅広いニーズが求められていることや、義務教育のセーフティネットとしての機能から、公立夜間中学の目指す姿の案として「学習者の多様な教育ニーズに対応できる場」「安心して学べる場」の２点を据えた。

　目指す姿の実現に向けた学校づくりの視点を作成。学習者の多様な教育ニーズに対応するための基本的な考え方の案としては、入学対象となる各層から幅広いニーズが求められていることから、「学び直しの保障」「基礎・基本の定着」「社会性を育む学びの充実」「自己肯定感を高め、自信に結び付く支援」「日本語指導の導入」の５点を掲げた。

　うち、「学び直しの保障」では、それぞれの習熟の度合いや理解の早さに対応するとともに、理解できる学習内容まで下げ、丁寧に時間をかけて対応することを明記。それぞれの理解の早さに対応するため、在籍可能な年限を３年以上に設定することとしている。

　安心して学べる体制づくりの基本的な考え方の案としては、入学対象と想定される人は基礎的な学力を身に付ける機会を得られず、何らかの困難を抱えていると想定されることから、「少人数指導体制の充実」「相談体制の充実」「学習支援体制の充実」「生徒の身体的・金銭的負担への配慮」「日本語指導体制の充実」「柔軟な入学体制」の６点を示した。

　うち、「柔軟な入学体制」では、入学の希望について様々な理由が想定されることから、複数回の入学時期の設定や随時入学なども含めて検討するほか、本人の社会生活や実務経験なども配慮して、２年生や３年生への入学や適切な進級の在り方についても検討することとしている。

(市町村 2020-07-07付)